240.05 ホロゴン外傳17「2011年6月16日東大寺界隈に怪レンズ徘徊し」5 ええ、風景を...
親友のDAさんが言いました、
「あんまり正直に言わない方がいいですよ。
どんな風に言っても、分かってもらえないでしょうから、
なんだか変な人に思われますよ」
嵯峨野のどんづまり、化野で休憩しようとしたのです。
街道から石段を上がったところにお店があります。
あかるく照明され、「お茶が飲めます」
てっきり喫茶店だと思って、上ってみました。
蚕繭で作られたミニチュア人形のお店でした。
ご婦人が二人居て、にこやかに、
「どうぞ、どうぞ。お茶入れますから」
ただ茶とはいえ、お店のベンチに座っての振る舞い茶だった。
美味しいお茶でした。
ご婦人が質問、
「紫陽花の写真撮りに来られたのですか?」
「いえ、紫陽花というわけじゃないんです」
「それじゃ、嵯峨野の風景?」
「別に風景を撮りに、というわけでもないんです」
DAさんが追加説明、
「道端にあるものを撮るんですよ」
とまどった表情のご婦人、
私、さらに追加説明、
「歩いていると、いろいろ面白いものが見つかるんですよ」
さらにとまどった表情のご婦人、
どうも、理解していただいた気配はないまま、
会話が途切れました。
冒頭のアドバイスは、このお店を出た直後のもの。
私も、そう思いました。
もう、これからは、「ええ、風景を..... 」
これにしようと、二人で決めました。
たいていの方には、私の撮るものなんて、
写真を実際に見ても、理解していただけないのですから。
理由は明らかです。
私は、特別の思い入れをもって、撮っています。
たいていは、そのものずばりを撮っているのではなく、
突拍子もない、想像の世界。
端から見ても、そんなこと想像しながら撮っているとは、
よもや、知るよしもなかった、というわけ。
by Hologon158
| 2011-06-19 10:26
| ホロゴン外傳
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