わが友ホロゴン・わが夢タンバール

252.10 ホロゴンデイ74「2008年12月20日京は河原町に京ロボグラフィを探し」10 私のエネルギー源



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書店で面白そうな本を見つけました。

    大竹昭子「彼らが写真を手にした切実さを」(平凡社)

大竹さんは、森山大道の写真にびんびんと琴線を振るわせます。
届いた写真集の第一印象をこんな風につづるのです、

    ページを開いて思わず息を呑んだ。
    左ページにはコンクリートの壁にさがる二本の鎖、
    右ページにはワックスを塗った車のボディが写っている。
    どちらも思い切りのいい、大胆な写真だ。
    嬉しい予感を感じながらページを繰っていった。
    木造モルタルのアパート....(と写真に写るものたちを列挙し)
    ページを繰るごとに物が迫ってくる。
    画面から飛び出してこちらに向かってくる。
    知っている、たしかにこのモノたちを知っている。
    そんなつぶやきをもらしながら、なめるように繰っていった。

リズムがあって、素敵な文章ですね。
感受性の高い人たちは、こんな風に大道さんの写真に敏感に反応するんでしょう。

私ができないのは残念です、と言いたいところですが、
別に残念でもありません。

私の人生、精神そのものが、
森山大道さんの人生、精神と交錯するところがないのでしょう。
おかげで、ネガティブな情動ばかりが迫り上がってきてしまいます。

誰でもそうですが、ポジティブな情動によって生きます。
アートを知識として吸収するつもりなど一切ありません。
写真も、他のすべてのアートと同じく、
私のエネルギー源になってもらいたいものです。

私には私が敏感に反応してしまう写真家たちがどっさり居て、
私はそれらの写真集、写真から絶えずエネルギーをもらっています。
それで十分。

念のため書き添えます。
暗い写真だから、ネガティブ、というわけではありません。
私は、黒みがちの写真が大好きです。
ジャコメッリもクーデルカもみんな暗い。
でも、私にむかってガッと飛び込んできます。

だから、写真って、面白いですね。
一筋縄では行かない。
by Hologon158 | 2011-07-26 14:54 | ホロゴンデイ | Comments(0)