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260.23 ホロゴンデイ75「2006年3月23日飛鳥に来ると、ホロゴンが燃える」23 ジョット伝説



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私は各種のアートの線に魅せられています。

以前にも書いたことがある逸話を繰り返しましょう。

   ローマ教皇が法王庁の絵描きを探すために、
   諸都市に使者を送り出したのです。
   各地の名ある画家たちは、自分の傑作を提出して、
   自分を売り込もうとしました。
   ルネサンスが生んだ最初の大天才のジョットは、
   使者の面前で、白紙にぐるっと円を描いて、言いました、

       「これをお持ちください。
        きっと私をお選びになるでしょう」


完璧な線で円が描き出されていたことは言うまでもありませんが、
その線にはエネルギーが満ちていたに違いありません。

ただ円を描くだけなら、かなりの画家であれば、
修練を積めば、あるいは描くことができたかも知れません。
でも、その円を見ていると、その円が飛び出してくるような、
力感溢れる形状を生み出すための筆力となると、別です。

絵でも音楽でも同様です。
アーチストの技術の差はかなり小さいように思われます。
でも、あるアーチストが描き、演奏すると、
なにかが違います。

そのおかげで、すべてが違います。

その違いは何なのでしょう?

結局、精神力にたどりつくのかも知れません。
創造力とでも言うべきエネルギーが非凡な線を生み出します。

上村松園さんも簾をよく描きました。
簾越しに美女たちが見えます。
その線は定規のような補助具を使って描いたものかも知れません。
でも、見事に線が生きています。

カルティエ=ブレッソンがいつも主張したことも、
この線のことなのでしょう。

   眼前の光景に、眼に見えない線が縦横に通り、
   その線が見事一点で束ねられたとき、
   これが決定的瞬間。

あなたには、線が見えますか?
by Hologon158 | 2011-08-19 18:15 | ホロゴンデイ | Comments(0)