わが友ホロゴン・わが夢タンバール

292.16 ホロゴンデイ79「2007年1月6日新年近江八幡詣で濡れに濡れ」16 2人のチェリスト


何度も観ます。
だから、何度も書きます。
この世には、涙なくして観ることができない映像があるものです。

Jaqueline Du Pre & Daniel Barenboim - informal
(http://www.youtube.com/watch?v=mOLc1VGacq8&feature=autoplay&list=
FL8EUa8uFTI2NWBEFOkCqnCA&lf=plpp_video&playnext=1)

こぼれ落ちるような才能の閃きと輝き。
そして、ジャクリーヌ・デュプレの動きの隅々から燃え上がるような、
全精神、全肉体の躍動、エネルギー、歓喜。
そして、ラストの爆発。

なんの予備知識もない人がこのビデオを観たら、
ただただ圧倒され、女神を讃仰する思いでしょう。

でも、この生命感の権化の人のその後を知る人間にとって、
このビデオから伝わってくるものは、
命の儚さ、今という一瞬の大切さへの思い。

でも、この思いに釣り合いをとるようなビデオだってあります。

Hanna Chang 'Robert Schumann - Adagio and Allegro for Piano and Horn'
(http://www.youtube.com/watch?v=0Ppy66_0u7s&feature=related)

韓国の女性チェリスト、ハンナ・チャンのチェロからは、
ジャクリーヌ・デュプレよりもやや小型ですが、
深いニュアンス、柔和な音色、
比類のないダイナミズム、豊かな音があいまって、
この人はこの人の独自の境地が生まれつつあることを感じさせます。

ジャクリーヌの生まれ変わりのようだと言いたいところですが、
ジャクリーヌ・デュプレは唯一無二、永劫不滅の人です。

ハンナ・チャンが不滅の人になるかどうかは、分かりません。
沢山のチェリストが世界に溢れています。
そんな中で、私がハンナ・チャンを推すのは、
けっして力まず、ナチュラルな自発性に満ちているからです。

写真だってそうですが、
「俺は巧いだろう」と言わんばかりの写真を観ると、
思わずのけぞってしまいます。

本物の芸術家って、誰でもそうですが、
本質的な全身からこだわりが抜けています。
完全なる自然体。
ハンナ・チャンがそれなのです。
そして、もちろん、ジャクリーヌも。



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by Hologon158 | 2012-01-10 19:39 | ホロゴンデイ | Comments(0)