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304.18 ホロゴンデイ81「2005年10月22日にも昨日と同じ京都西陣をうろうろと」18 私の新説!



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今日は休業日。
朝からあれこれ作業をしましたが、
その間、iPodでスコットの「Ivanhoe」の朗読を聞き始めました。
シャーロック・ホームズの小説をあれこれ聞いた後、
こちらに取りかかったのです。

ほとんど分かりません。
1819年刊行の小説なので、かなり古風な英語。
現代英語もろくに聞き取れないのに、
古典英語の朗読を聞こうとは、なんたる大それた思いつき?

でも、若い頃2度翻訳で読んだので、かなり記憶しています。
それを頼りに聞いていると、少しは分かるものです。

突然閃きました。

    「アイバンホー」は「オデュッセイア」の19世紀バージョンだ!

その理由を列挙しましょう。

    1 豚飼いのガースで気づいたのです。
    この豚飼いは重要な脇役として活躍します。
    オデュッセイアにも、優れた豚飼いエウマイオスが登場して、
    こうしたいわば下層の、でも節操を失わない庶民が、
    長年生死不明の高貴なご主人を忘れないで、忠誠を保ち、
    ようやくお忍びで帰還したご主人を助けます。

    2 主人公のオデュッセウスとアイバンホーはどちらも、
    はるか遠方に遠征し、そのまま失そうしてしまいますが、
    身分をしっかりと隠して、故郷に帰ってきます。

    3 故郷では、アイバンホーには麗しのロウィーナ姫が、
    オデュッセウスには新婚で別れた美貌の王妃ペネロペイアが、
    どちらも主人公への愛を失わずに待っています。
    ロウィーナ姫と王妃ペネロペイアはかなり似ています。
    誇りが高く、心をしっかりと堅持して、帰りを待ちます。

    4 でも、あまりの美貌と高貴な地位故に、
    無法の求婚者が我がものにしようと迫り、危機状態にあります。

    5 最後に、主人公は、壮大なる戦いのクライマックスを経て、
    無法の求婚者たちへの復讐を果たし、愛を勝ち取ります。

    6 この復讐と地位の回復を、リチャード獅子心王と、
    女神アテーネーが影ながら、そして公然と助けます。

    このすべてのステップが、両ドラマの骨格を成しています。

これで分かることは、
スコットは「オデュッセイア」が大好きだったのです。

もちろん「オデュッセイア」「イリアッド」を愛した文人は無数。
シュリーマンが有名ですが、彼に限りません。
むしろ大抵の文人はこの2冊に心を奪われ、
多かれ少なかれ影響を受けてきたのは自明の事実です。
こう言っても、過言ではないでしょう、

    西欧文化は、ホメーロス、プラトン、シェークスピアの上に築かれた!

でも、スコットはホメーロスにかなり肉迫する文学の天才。
その文才のすべてを使って、
オデュッセイアを中世イギリスに移植したのです。

ちょっとしたひねりを入れています。

    オデュッセウスはかなり剛毅な、リチャード獅子心王的性格。
    このオデュッセウスの一人息子テーレマコスはちょっと軟弱な青二才。
    スコットは、この親子をうまく融合して、
    心身ともにちょっと細身の好青年アイバンホーを生み出したのです。

今、ここで、豚飼いという共通項から勝手にひねりだした新説ですが、
私ができることは、文学に造詣の深い人なら、
なおさら簡単に見つけられるアイデアです。
きっと昔から主張されてきた説なのでしょうね。

でも、自分の頭でなにかを見つけたと思えたら、
それが新説でなくても、うれしいじゃありませんか?
というわけで、今日は調子がよさそうです。
by Hologon158 | 2012-02-23 11:04 | ホロゴンデイ | Comments(0)