363.10 ホロゴンデイ89「2011年3月19日ホロゴンは郡山旧市街を疾走した」10 カッコー......
それにしても、エスカレーションは必然的発展なのでしょうか?
前回の森山大道回顧展といい、
この中平卓馬展といい、
近年の写真展、物量作戦がエスカレートして、
果てしなき拡張拡大傾向をたどっているようです。
巨大化する油絵ととても似た状況。
まるで「鬼面人を驚かす」という感じ。
花火大会も同じですね。
風情のある花火が夏空に美しく咲くなんてもう古い。
まるでアメリカ軍のイラク侵攻のミサイル攻撃のように、
全天を爆発音と破裂花火で覆い尽くす、
そうでないと、人は驚き、喜ばない、そんな傾向とそっくり。
針で手を突いていますと、しばらくすると、感じなくなります。
定常刺激は、刺激ではなくなるのだそうです。
現代人はちょっとしたことでは驚かなくなっているのでしょうか?
強烈な刺激的シンボルに満ちたテレビや、
都会のさまざまなコマーシャル、宣伝のプレゼンテーションが、
現代人をどんどん鈍感にしている、そんな感じがします。
まだ大学生の頃、信州の国民宿舎で聞いた鳥の声を思い出します。
はるか彼方から、森の中をこだまするような深遠な響きをともなって、
かすかにかすかに聞こえてきました、
「カッコー.......... カッコー.......... 」
そのかすかなサウンドが大地の沈黙をことさらに深く感じさせてくれました。
こんなものが本物の美的体験ではないか?
そんなささやかな体験が心にしみとおって、
心と精神と魂に美を満たしてくれるのではないか?
そう感じるのですが.............
by Hologon158
| 2012-08-05 14:29
| ホロゴンデイ
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