373.04 ホロゴンデイ91「2005年12月25日 心斎橋アメリカ村でホロゴンフェスティバル!」4 素人写真鉄則
私はもっともシンプルな撮影法で撮っています。
自分の写真の鉄則をこう決めているのです。
1 なにが撮ったか、分からないような写真を撮らない。
よく写真の講師はこう教えられます。
「主役と脇役をしっかり撮って、
脇役が主役を支えるようにしなさい」
十数年前のことですが、私の所属していた写真クラブで、
メンバーのお一人が祭の写真を出しました。
街角で、数十人の祭列がてんでばらばらになっている状況。
講師がとまどって、
「一体、何を撮りたかったのですか?」
作者、欣然と、
「角の電柱の上のカーブミラーを見て下さい。
そこに写っている祭の列を撮りたかったのです」
とても小さなカーブミラーで、かろうじて祭の人が数人見えるだけ。
講師も出席者も全員で笑い転げてしまいました。
思うのですが、「主役と脇役を撮れ」というアドバイスに起因しています。
勢い、2つのファクターを見つけ出して、撮りたい。
たいていの場合、端から見ると、どちらが主役かわからない。
撮影者は、脇役をどう配置すれば、主役を引き立てるか、
あれこれと頭をひねることになります。
私の経験では、頭を使った写真は頭に来るけど、心に来ません。
そこで、
2 頭を使うな?
じゃ、どうすればよいのか?
たいていの方は、ファインダーの中であれこれと配置を思案します。
それが禍の源です。
結局、頭を使ってしまいます。
これを回避するのは、簡単です。
3 撮りたいものを見つけたら、それだけ撮れ。
脇役なんかいりません。
主役を真ん中に大きく撮るので、周辺のものは当然脇役に廻ります。
主役を脇の方に持ってくる方が沢山おられますが、
私はそんな危険なことは避けることにしています。
うまい具合に収まらないのです。
ただわざとひねった写真に見えるだけ。
ひねった写真は、見る人に頭をひねらせることになるだけ。
それじゃ面白い写真にならないよ、そうおっしゃる人が多いでしょう。
でも、そんな写真作品を作ろうという意思そのものが、
邪魔をしてしまうのではないでしょうか?
臭い写真になってしまうからです。
むしろ、自分の心に素直に耳を傾けて撮ることが一番では?
こんなことを長々と書いたのは、
ネットで、ホロゴン16mmF8で撮って写真を見たからです。
すべて被写体となるファクター(主役)から1〜3m離れて、
大きく情景としてお撮りです。
でも、群衆の場でただ撮っているだけなので、
超広角の悲しさ、人が沢山写ってしまい、
ただの群像遠景写真になっています。
いったい、なにをお撮りになっているか、わからない。
撮られている全体はただの観光地の風景。
これでは写真としては、なんの意味もない感じがします。
群像を撮って、写真にするためには、
カルティエ=ブレッソンのような人間の幾何学的関係をキャッチしたり、
ゲリー・ヴィノグラントのように人間の社会的行動を理解したりできる、
独特の才能が必要ではないでしょうか?
私もあなたもそんな芸当はできませんね。
けっして自分を買いかぶらないで、
優れた写真家がやっている離れ業を自分もできるなどと考えないのが、
安全です。
すると、最後の最も重要な鉄則は、いつものように、
4 Simple is the best.
by Hologon158
| 2012-09-02 21:21
| ホロゴンデイ
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