わが友ホロゴン・わが夢タンバール

398.03 ホロゴンデイ97「2007年1月27日 大阪大正区でホロゴンが吠え」3 現れない



木曜日の続きがまだ残っていました。
午後4時22分発大和路快速に乗車。

    撮影枚数は596枚。
    銀塩フィルム換算 16.5本。

近頃は、判を押したように600枚前後に収まります。
本日のエルマリート・キャンペーン(エルマリート作戦)は成功でした。
たいていF5.6かF8に絞って被写界深度で撮っています。
疲れません。
もっとも、結果は見てのお楽しみ。

ホロゴンなら慣れましたが、28mmや25mmだと、
水平垂直を自動化するまでには至っていません。
どうやらカメラを水準器として使っているらしく、
カメラさばきに慣れないと、水平が出ないようです。
そのうえ、視角も体に入っていないので、
広すぎたり、狭すぎたり。

木村伊兵衛が晩年入院したとき、見舞い客に説明したそうです。

    「50mmならここからここまで。
     90mmならあそこからあそこまで。」

見舞い客が携行したライカで確かめると、そのとおりだったそうです。
意地の悪い人だったら、
木村伊兵衛はすでに自分のカメラでチェック済みだったと疑うでしょう。

でも、私は露ほども疑いませんね。
そんな疑いが浮かぶのは、自分ではできないからです。
日曜写真家のアマチュアなら、画角が体に入るなんてことは困難。

木村伊兵衛は生涯プロとして、余暇の写真家として、
日々写真を撮ってきたのです。
彼の作品を見ると、画角が入っている人でないと撮れないような、
退っ引きならない切り取り。
寿司職人が握りの米粒が常に同一であるように、
写真家は自分のレンズに習熟するのです。

つまり、カメラ、レンズをとっかえひっかえする人、
たとえば、Hologon158なんかは絶対に写真家になれないのです。

16年前、ホロゴンウルトラワイドを手に入れたとき、考えたことがあります、
    
    「よし、ホロゴン写真家になるぞ!」

でも、こんなバカなアイデアはありませんね。
カメラ、レンズは所詮道具です。
道具で写真家になれるなら、こんな簡単なことはない。

    心に訴えかけたいなにかがあるから、
    美を心に宿している人だから、
    そして、なにかを創造したいという強烈で持続的な意志があるから、
    そして、これら全部の上に、写真の才能があるから、
    写真家になれるのです。

つまり、レンズに習熟して画角を体にしみこませるのは、
写真創造の所産であって、逆に、
体にしみこませたから、写真作品が創造できるというわけではありませんね。

というわけで、本日の写真はおそらく広すぎたり狭すぎたり、
帯に短し、たすきに長しでしょう。
じゃ、ファインダーで構図を取ればいいじゃないか、
ライカM9は28mmまでサポートしているのに、とおっしゃる方がおいででしょう。
すみませんねえ。
私の場合、それは無理。
マグニファイアーを常用しているので、
ライカM9のファインダー一杯がようやく35mm程度なのですから。

    作品を作るのではないので、広すぎたり狭すぎたりしても平気なのです。
    それにしても、楽しい一日でした。




398.03 ホロゴンデイ97「2007年1月27日 大阪大正区でホロゴンが吠え」3 現れない_c0168172_23294836.jpg
398.03 ホロゴンデイ97「2007年1月27日 大阪大正区でホロゴンが吠え」3 現れない_c0168172_23321831.jpg
398.03 ホロゴンデイ97「2007年1月27日 大阪大正区でホロゴンが吠え」3 現れない_c0168172_2325423.jpg
398.03 ホロゴンデイ97「2007年1月27日 大阪大正区でホロゴンが吠え」3 現れない_c0168172_23254.jpg
398.03 ホロゴンデイ97「2007年1月27日 大阪大正区でホロゴンが吠え」3 現れない_c0168172_2315212.jpg
398.03 ホロゴンデイ97「2007年1月27日 大阪大正区でホロゴンが吠え」3 現れない_c0168172_2303879.jpg

by Hologon158 | 2012-11-24 23:32 | ホロゴンデイ | Comments(0)