00.07 ホロゴン外傳97「2012年10月10日 ゾンネタールは心斎橋でひっそりタップ」7 mind picture
写真家吉田正さんの率いるグループ写真展に行ってきました。
「mind picture」
私はほとんど写真展に参りません。
「我が輩は巧いのであるぞ。
写真家であるのだぞ」
という面付きの人がいっぱい居て、
仲間しか歓迎しません。
なにを言いたいのか、
どこに感動したのか、
まるきり分からないような意味不明の写真たち、
簡単に言えば、私の写真のようなものがいっぱい並びます。
自分の写真は我慢できますが、というより、大いに歓迎しますが、
人の写真まで大目に見る気持ちにはなれません。
だから、たいていの写真展は時間の無駄。
なにがよい写真か?
私には分かりません。
どうすれば、よい写真が撮れるか?
さらに分かりません。
でも、私の好きな写真に出会ったら、胸が躍ります。
もっと幸運に、心から感嘆する写真に出会ったら、
ぞくっとします。
これは不随意現象なので、コントロール不能。
ほとんどそんなことは起こりません。
カルティエ=ブレッソン展とかアンセル・アダムズ展で起こりました。
吉田正さんの個展(私が拝見したのは2回)、ここでも起こりました。
それ位のレベルでの現象。
ところが、この写真展では、ひっきりなしにそれが起こったのです。
今冷静になって考えて見ると、
写真作品もすてきなものが目白押しにならびましたが、
それだけではありませんでした。
色々、普通では起こらない事象が起こっていたからです。
1 すでにこのグループの写真展を拝見するのは少なくとも4回目ですが、
メンバーが着実に自分の写真を撮る方向で前進しておいでになる。
2 それなのに、鼻高々になる方がいない。
3 リーダーにして師匠の吉田正さんのお人柄ですが、
けっして自分を押しつけない。
それなのに、メンバーのみなさん、
リーダーの気風だけはしっかりと受け継いでおいでになります。
つまり、謙虚で、人を受け入れる姿勢があります。
4 吉田さんやメンバーの方数人におうかがいしたのですが、
この写真展のためにしっかりとした組写真を仕上げ、
立派にプリントするために並大抵ではない努力を払ったようです。
ちょいちょいと制作した写真展ではないのです。
5 写真の出来そのものがすばらしいのですが、
メンバーのみなさんに幸運なことは、
リーダーがデザイン的センスに恵まれたアーチストだった!
おかげで、それぞれの組写真が最高のパフォーマンスでデザインされました。
前回よりもはるかにハイレベルとなりました。
これほどに高いレベルの写真作品が、
これほどのハイセンスに構成された写真展は稀ではないでしょうか?
6 どうやらここでも、私が勝手に名付けた相互刺激効果が、
吉田正さんのリーダーシップの下、威力を発揮しているのです。
昔から、リーダーシップには2種類あるようです。
A ぐいぐいと鼻面を引き回す強権型リーダー(俺についてこい型)
B リーダーが豊かな人間性で存在することで、
部下が刺激を受けて、自分の才能をそれぞれに伸ばし、
リーダーの凝集力が部下の協力体制を強化する。
(御輿だ、わっしょい型)
もちろん2の方がはるかに上質で長持ちします。
Aは部下の才能を伸ばさず、協力体制を阻害します。
たとえば、秀吉やナポレオン、アレクサンドロスが1の典型例でした。
だから、リーダーが倒れると、部下はバラバラになり、
1代で王朝は瓦解しました。
Aはあまりよい例がおもいあたりません。
春秋時代の晋の文公、漢の高祖、エリザベス女王、蜀の劉備.......
後が続きません。
吉田正さんは、そんな稀なリーダーのお一人なんだな、
私は今回までの4回の写真展の移り行きを思い返して、
その思いを強めています。
ちょっと話が横道に逸れたかも知れません。
とにかく、それほどにスペシャルな写真展だったということです。
by Hologon158
| 2012-12-03 11:01
| ホロゴン外傳
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