わが友ホロゴン・わが夢タンバール

424.00 ホロゴン画帖138「十暗帖 ホロゴンの安住の地は天王寺かもしれない」



森山大道の「犬の記憶 終章」で、
森山大道が横須賀で撮り貯めた百数十枚のプリントを
カメラ毎日の編集長山岸章二に初めて見てもらう話を読みました。

    猛烈なスピードでばらばらと見る姿に、
    これじゃだめなんだなと覚悟を決めたら、
    編集長いきなり別室に行って、卓上に20枚ばかり並べて
        「よし、これで決まりだ、九頁、八月号」
    別れ際に、
        「君、撮ったら俺のところに持ってこい、載せてやるから」

独立の写真家森山大道誕生のシーンです。
写真家の驚き、興奮もさることながら、
おそらく編集長の方がもっと驚き、興奮していたのではないでしょうか?

    この本に収められている写真を見る限り、
    最近の作品にはない強烈な写真意志が感じられるからです。
    写真家冥利、編集者冥利に尽きる出会いだったのでしょう。

人の写真を見る見方は様々でしょう。
写真家はむしろもっとじっくりと一枚一枚を吟味する方が多い感じがします。
山岸さんの高速チェックは、
編集期限に追われる編集者ならではの見方なのではないでしょうか? 

    けっしてこの見方を真似しようなんてしないことですよ。
    そうして選んだ写真から、目は節穴とばれてしまいますからね。

それにしても、鑑識眼のある人に写真を見せるというのは怖いものですね。
私のような写真素人でも、ある程度までは写真の良し悪しはわかりますが、
たいていの場合、自分の好悪の視点だけなので、
良し悪しと好悪とを区別できていないかもしれません。

    編集者となると、写真界、写真史の大きなスパンの中に位置づけるようにして、
    将来一廉の写真家になれる人か、
    掲載することによって写真雑誌としての権威を高めることになるか、等々、
    さまざまな視点から縦横に解剖することでしょう。
    いわば自分の見識と首とがかかっているのですから、
    おのずと真剣勝負になりますね。

ある人が長年撮り貯めた弘法市の500枚を選んで、
東京の大手出版社に持ち込んで写真集を出したいと言ったそうです。

    社長さん、じっくり見て、にっこり笑って、
        「いいですよ。でも、写真集にするためには少し足りません。
         あと500枚持ってきて撮ってください」
    自分の500枚は傑作ばかりと自負して、自信満々に討ち行ったくだんの御仁、
        「それじゃ、生きている間には撮れません」

写真を見ることがどんなに難しいか、ということがわかりますね。

    とくに自分の写真を見たとき、思わず心の中で喝采していまうものです。
        我ながら傑作ばかりじゃないか!
        もしかすると、天才なんじゃないかな?
        こわーい!
    それほどに自分の写真を見るときに、
    眼にかかる依怙贔屓ベールは厚いのです。
    (略して「エコベール」、名前と裏腹に精神的健康によくないベールですね)

私は、自分の写真を幾度も人に見せた経験から、
この落とし穴に落ちることはなくなりました。

    私も、自分の写真は大好きです。
    まあ、よく撮れたものだ、と時々思います。
    でも、それは自分の写真だから、そう思うだけなのだとわかってます。
    人が見たら、「なんだ、これは?」写真であることは重々承知。

ですから、しっかりと自覚しています、

    どこまで行っても写真素人!
    すると、ますます自分の写真への愛情が募ってくるのです。
    でも、これは不思議でもなんでもない。
    よく言うじゃありませんか?

        出来の悪い子ほど、かわいい!

通天閣界隈でもうけたそんなかわいい子供たちを並べて見ました。

    速いもので、この子たちももう7つ。
    それにしては老けた感じですね。
    余計にかわいくなります。

        苦労しているんだなあ..............




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by Hologon158 | 2013-03-26 10:34 | ホロゴンデイ | Comments(0)