427.07 ホロゴン外傳107「2013年3月30日 スーパーアンギュロン21mmf3.4が天神橋を渡った」7 永遠に
天才音楽家たちもペンと紙があれば十分でした。
シューベルトがそうだったそうですね。
ピアノもいらない、
歌ってみることもしない。
ただ頭の中からゲーテやシラーなどの詩人たちの詩句が
そのまま音楽となって流れ出てきて、
手近のメニューなんかの裏に書き付けるだけ。
それだけなのに、ときには静謐に、ときにはドラマチックに、
比類のない歌として結実し、
あらゆる世代の人類の至宝となってしまいました。
たとえば、次のYou Tubeを聴いてみてください。
Schubert - 4 Lieder - Della Casa / Sándor (live)
(http://www.youtube.com/watch?v=guR7wnALheg)
歌声、容貌、容姿、振る舞い、そのすべてにおいてディーバだった、
リーザ・デラ・カーザ
それにしても、その甘く伸びやかな歌声は素敵ですね。
シューベルトは自分の歌がこんな風にして、
いわば永遠に歌い継がれることになると予見できたでしょうか?
もっとも予見していたからと言って、天才の証拠とは言えませんね。
三流のアーチストだって、唯我独尊の心境に舞い上がって、
自分のアートをそう思うかも知れないのですから。
むしろシューベルトはそんな可能性など心に浮かばなかったでしょう。
ただ、心の奥底からわき起こるインスピレーションに応えて、
余計な雑音も自負もなく、純粋に音楽の歓びに沈潜したのでしょう。
作為や工夫など必要ではなかったのです。
だから、こんなに清澄で透明感に満ちた音楽が生まれたのです。
天からの贈り物、そうとしか思えない音楽。
by Hologon158
| 2013-04-02 19:10
| ホロゴン外傳
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