440.05 ホロゴンデイ103「2006年7月8日 6年前、ぼくはホロゴンで北山界隈を撮っていた」5 我酔うて眠らん
李白は時折、自分にとっても理想郷を描きます。
山中与幽人対酌(山中にて幽人と対酌す)
両人対酌すれば 山花開く
一杯 一杯 復た一杯
我酔うて眠らんと欲す 卿、しばらく去れ
明朝 意有らば 琴を抱いて来たれ
友
酒
詩
音楽(詩の伴奏)
李白にとって大切だったファクターが詰まった詩です。
魏末から晋にかけての清談思想は中国の後代の文人の心に
しっかりと刻み込まれていたようです。
とりわけ李白は、朝廷に仕官した一時期をのぞけば、
基本的に、隠者に近い境遇で自由人として生きていたようです。
だから、この詩は彼の本来の姿そのものをあらわしている、
そう考えることができそうです。
窮屈な宮仕えに一生を費やす人には描けないような、
壮大に精神を飛翔させる詩を書き続けたのも当然かも知れません。
写真でも、同じことが言えそうです。
人がどう思うだろうかとためらったり、
人が傑作だと思うような写真がここで撮れるだろうかなどと、
娑婆っ気を出したりしていると、
その手の写真が撮れるだけです。
思うがままに自分の写真を撮りたかったら、
美などあるはずがない場所に美を見出したかったら、
なによりもまず精神が自由でなければなりません。
by Hologon158
| 2013-06-08 21:46
| ホロゴンデイ
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