わが友ホロゴン・わが夢タンバール

478.02 ホロゴン外傳124「2013年11月16日 奈良町でもスピードパンクロを使ってみた」2 空想の海



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私はどうやら家系の誰かに由来する一つの遺伝形質を受け継いだようです。

   想像力。

小学生の頃から、私は空想の海にどっぷりと浸ってきました。
どこに居ても、なにをしていても、想像力が働くと、
いきなり別世界に没入してしまいます。

この能力、仕事の邪魔になりそうですが、案外仕事でも役立ちました。

   ある錯綜した問題状況を解きほぐして、解決策を発見する必要があるとき、
   たいていの同僚は外から問題状況を眺めるのに対して、
   私はいきなり問題状況の中に入り込むことができます。
   だから、その問題に巻き込まれた人たちの立場、行動の意味が
   いきなり分かってしまいます。

だから、いつも間違わないというわけではありません。
でも、たいていの場合、ずばり核心が見えてきます。
核心が見えると、解決は速くて的確であることが多いようです。

ロボグラフィにとって、想像力は根本的な前提条件です。

   なにしろ現場は薄暗いただの路傍、
   誰も目に留めない片隅の住民たち。
   一目見たとたんに、「あっ、こいつ、がんばってるな!」
   そう気づかないと、撮れません。

以前とても親しくしていた好青年のことを思い出します。
やはりロボグラファーでした。

   路傍のなにかに突然目を引きつけられて立ち止まります。
   そこまでは正常なのです(違う、異常だ、なんてほざくあなた、さいなら)
   私なら、次の瞬間にシャッターを落とします。
   ホロゴンのような超広角ならノーファインダーで、
   50mm標準なら、ライブビューを拡大した画面を標準設定にしておいて、
   ピントを合わせたとたんに、
   全画面をチェックすることなく、シャッターをぐいと押し込みます。
   そして、立ち去ります、
   あとには「せめてお名前を...」と呼びかける声を残しつつ。

ところが、この青年、それから数分とつおいつ考え込んでしまうのです。
それでも、まだ撮れない。

   どうしてそんな風に思案投げ首状態に陥ってしまうのか、
   まったく訳が分かりませんでした。
   2年ほどして鬱病と診断されたことで、
   当時すでに選択、決断をすることが困難な状態にあったことが分かりました。

私の同僚たちも、私の知る限りで、
6、7人この世からさっさとグッバイしてしまいました。

   そのうち4人は私が一緒に仕事をしたことのある友人なのですから、
   全国的にはもっとたくさんの自殺者がいるはず。

4人のうち2人はとても親しくつきあい、尊敬していた先輩なのですが、

   不思議なことに二人とも、とてもやさしい偏りのない快活な人柄、
   円満穏和な性格の持ち主で、あたたかい家庭の人でした。
   世を去るなんて、家族も友人もまったく予測できない俊秀だったのです。
   でも、密かに決断困難な状態に陥って、仕事の重圧に押しつぶされてしまった、
   私はそう推測しています。

妻が先日ぽつりと言いました、

   「仕事にとうとう押しつぶされなかったのは、写真のおかげかもしれないね」

   写真を肯定した発言はこれがはじめてではないか、とさえ思える発言。
   ほんとは妻のおかげなのですが、
   たしかに写真もまた私の人生の基本となってくれました。

写真をはじめた最初の最初から、
私はスナップも撮るロボグラファーだったのです。

   瞬時に決断して、瞬時にシャッターを落とす、これがスナッパーの真骨頂です。
   結局、私がスナッパーとして大成しなかった理由は明らかです。
   スナップは画面全体の情景の中で人間たちが見せる絶妙の絡み合いを撮るものです。
   ところが、昔から、私は対象となる中心だけを撮る人間だったからです。

そのかわり、中心を見つけて、瞬時に撮ることだけを幾十年と続けてきました。
よくよく考えてみると、仕事でも同じやり方を貫徹したようです。

   くよくよ悩むことなど、まるでなかった。
   むしろ朝方の半覚半眠状態で突然頭の中がぱっと輝いて、
   あるアイデアが浮かび、
       「そうだ、そうだったんだ!」
   こんなインスピレーション体験が難件解決に幾度も寄与してくれました。

もって生まれた想像力が悪夢につながることが一度もなかったのは、
徹底的に楽天的な性格のおかげだと思っています。

   浅薄軽薄が長生きの秘訣。
   そんなところでしょうか?
by Hologon158 | 2013-11-21 14:14 | ホロゴン外傳 | Comments(0)