504.11 ホロゴン外傳132「2014年3月1日 ビオゴン35mmF3.5Prewarは大阪福島でご機嫌」11 交差チェック
前回の記事を書いた後、
理研は論文撤回の方針を強めたという記事を読みました。
どうやらSATP細胞の生成を確認できないようです。
うろ覚えですが、以前、
日本の研究者がスイスのサイクロトロン装置を使って実験を繰り返した結果、
中性子だったと思いますが、光速を超えることが分かったと発表して、
アインシュタインの相対性理論に破綻が見つかったのではないかと
世界が騒然となったことがありました。
当時、私は、まったく物理学など素人でしたが、
相対性理論については幾冊か啓蒙書を読んでいましたので、
その実験そのものがおかしいのではとブログに書きました。
多くの物理学者も同様の意見だったでしょう。
結局、計測装置そのものが狂っていたことが判明して、
世界を驚愕させた騒動は一瞬にして消えてしまいました。
STAP細胞はこの事件になんだか似てきました。
たしかに学問は絶対視される理論を超克して、
新しい学問の基礎を樹立するというプロセスを繰り返してきました。
ホワイトヘッドは言いました、
「誰もが疑わないあたりまえのことを疑うことは難しい」
そのことができるのが、学問を革新する思想家、学者たち。
地球上では絶対的にただしいニュートン物理学が、
宇宙規模、超ミクロの世界では通用しないことを発見するためには、
それにふさわしい超絶的な思索力、意志力の天才が必要でした。
アインシュタインはそんな人でした。
冒頭の実験者たちは、そんな天才の巨大な壁を乗り越えようとしました。
それならば、アインシュタインに負けないほどの
思索力、意志力がなければならなかったはず。
中性子が時間の壁を乗り越えた実験結果を得たとき、
実験者たち次の選択肢に直面しました。
①実験結果を信じる。
②相対性理論を信じる。
彼らは①を選択しました。
でも、②は絶対的なのです。
①を選択する前に、実験そのものを綿密に検証するべきでした。
A実験装置はただしく作動しているか?
B他の実験装置を用いても同様の結果を出すか?
結果的には、Bは実施せず、Aについても十分検証しないまま、
実験を反復しただけでした。
巨大な壁を乗り越え、常識を覆すためには、
それだけの徹底的な証明が必要なのに、
どうやら安直に実験を信じきってしまい、
世界に向けて発表してしまったようです。
偉大な実験結果を誰よりも先駆けて発表したいという気持ちが
拙速につながったのではないでしょうか?
なんだか今回のSTAP細胞事件はこれに似ているのではないでしょうか?
小保方さんグループも同じ選択肢に直面したはずです。
①実験結果を信じる。
②従来の学問的常識を信じる。
常識を疑うためにはそれなりのプロセスが必要です。
実験結果が絶対に揺るぎなく真実であると立証しなければなりません。
そのためには、少なくとも次の3つのプロセスは必須です。
A実験を反復して、同じ結果が出るかを確認する。
B条件を変えて実験して、同じ結果が出るかを確認する。
C実験装置、実験場所、実験者を変えて、ABを反復して、
同じ結果が出るかを確認する。
専門家であれば、もっと確実な検証方法を考案できるでしょう。
こんな言わば交差チェックをしっかり実施したのでしょうか?
何だかそうではなかったような気がしてきました。
by Hologon158
| 2014-03-15 19:02
| ホロゴン外傳
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