558.23 ホロゴン外傳139「2013年11月23日 昨年、ぼくは京都で楽しく撮っていた」23-完-SuperComat
前回、水曜日にはもう一つ、
オークションで落札したレンズが届いたと書きました。
レンズを売り始めている今、またレンズを買う?
我が家が燃えているのを観ながら、
iPhoneのアマゾンで消火器を注文する暢気な父さんの感じですが、
思わず手がでてしまったのです。
テーラー・ホブスンのクックレンズが3万円なのですから、
どうしても手が出てしまいます。
SuperComat38mmF1.9
テーラー・ホブスンがアメリカのBell & Howell社のために生産した、
映画用レンズを自社名でも販売したのです。
アンジェニューなどでも同じようなレンズ販売をしているようですから、
一種の互恵的な契約関係だったのでしょうか?
SuperComatは25mmの作例を時折見かけます。
まあまあというような印象のレンズ。
でも、見つかったレンズはいかにもクック風で、
シルバー尽くめの鏡胴に相撲取りの廻しに似たヘリコイドリングが巻き付いて、
かなり奇抜。
もう一つ手に入れた理由が、マイクロフォーサーズか、
フジFXマウントのどちらかのアダプタをつけて送ると記載されていたこと。
もちろんCマントであれば、フジX-Pro1にだって付くのですが、
でも、どうせ38mmと長焦点なのですから、
76mmになってしまうオリンパスE-PL1で使うつもりはありません。
ならば、フジの専用レンズとして愛用してもよいのでは?
そう考えたのです。
ところが、落札して、フジのマウントで送ってほしいとメールしたその返事に、
実は2本同種のレンズを持っているんだけど、
1本は経年劣化でヘリコイドが甘くなってしまっていて、
もう1本は逆にかなり固いのだけど、どちらにしましょう?
どちらにせよ、修理のためには数十ドルの見積もりが出ているのですが、
そんなものでもよいでしょうか?
という、オークション出品時に明示すべき重要な情報を
今頃明らかにするというルール違反。
台湾が出品国なので、もしかするとと不安になり、
そんな情報が先にわかっていたら、買わなかった、
キャンセルしてほしいと返事したのです。
すると、大あわてで、そんなに大したことはないので、
キャンセルはしないでほしい、との懇願のメール。
私としては、やっぱり欲しいレンズではあるので、
そこは鷹揚に返信しました、
「不服だけどいいでしょう、いただきます」
わずか数日で送られてきました。
開封して、中から現れたレンズは新品同様とはいかなくても、
傷のほとんどないとても美しいレンズ、レンズキャップも付き、
アダプタはレンズ本体はM42に改造されて、
そこへフジXマウントアダプタが付けられて、
とても立派な改造になっています。
早速フジX-Pro1に付けました。
いわゆるパンダスタイルで、ブラックのカメラから、
古典的なスタイルのビンテージレンズが白銀輝き立ち上がるという、
高級感あふれるたたずまい。
これはいい!
早速、室内で試写してみました。
ああ、なんというやわらかい、柔和な描写でしょう!
そして、開放では、美しいフレアがくゆりたつオーロラのようです。
もっと試写してみないと、その全貌はわかりませんが、
のれんを分けて麗しの乙女がすっと姿を現したかのような印象。
思わず一目惚れしてしまいました。
いや、形と写真とに2度惚れたのですから、二目惚れでしょうか?
良いレンズは孫悟空の金斗雲のようなものです。
一っ飛びで、私を至福の境地に舞いあげてくれるのですから。
by hologon158
| 2014-12-03 22:35
| ホロゴン外傳
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