わが友ホロゴン・わが夢タンバール

570.09 ホロゴン外傅142「2015年1月18日 梅田はスイター日よりだった」9 大こけにこけ


午後3時46分JR新今宮駅発奈良行き快速で帰りました。

通天閣から南界隈は、昔で言う釜ヶ崎地区。

    十三も同じですが、庶民の町の楽しみの一つがお酒。
    真っ昼間から、というより、朝から、
    ホルモン屋さんや飲み屋さんのスタンドの席を埋めて、
    楽しくお酒を呑み、カラオケを歌っている姿を、
    あちこちの路地で見ることができます。
    昔はおっさんだけでしたが、今では若い男女の姿も見られます。

私はグルメでなければ、飲み助でもありません。
だから、この楽しみを想像することができません。

    朝から呑みはじめて、どれだけ長時間、どれだけ呑むのでしょう?
    酔っぱらってしまったら、後はなにもできないじゃない?
    世間があんまり面白くないので、なにもかも忘れたいのだろうか?
    それとも、そんなに忘れたい悩みがあるんだろうか?

これは、私は、要するに、
世間離れしているにすぎないのかも知れません。

    生まれてこの方、起きている間ずっと
    なにかをびっしりやり続けてきた私の方が異常なのかも知れません。

でも、面白いですね。

    なにをしても、どんな風に生きても、それが人生。
    どんな生き方が正しいとか、
    高尚であるとかなんて決めることはできませんね。
    呑み続け、女と遊び続けて、
    ついに悟りに至る人だっているでしょう。
    逆に、研鑽に研鑽を積んで、修練に修練を重ねて、
    なお、大こけにこける人もいます。
    
いつも思い出すのが、中国の晋代の政治家・武将であった殷浩。

    ろくに事績をあげなかったのに、大変に声望の高かった人です。
    失脚して田舎に蟄居していた殷浩に、
    最高指揮権を与えるべく、中央から呼び出しがかかります。
    今こそ真価を発揮して、名を青史に留めんと、気負い立って、
    謹んでお受けする旨の書簡をしたため、箱に収めます。

    ところが、ちゃんと入れたか、気になって、
    幾度も箱を開けて書簡を出したり入れたり。
    中央に書簡が届いたとき、箱の中は空っぽでした。
    結局、2度と召し出されることはありませんでした。

殷浩先生、箱から取りだした書簡をどうしたのでしょうねえ?

    すぐに失敗に気付いたら、大急ぎで人を派遣して、
    使者を途中でキャッチして、書簡を箱に納めることができたし、
    自分自身もとるものもとりあえず、都に急行した筈。

    どうやら書簡は、そんな確認の最中、
    なにかの突然の用に邪魔されて、
    卓上に溢れた書籍や紙の中に紛れこんでしまい、
    見つけたときは、後の祭りだったのでしょう。

皮肉なことに、この人はその名を青史に見事留めることとなりました。

    でも、史上最高にうかつな人間として。

    史家がこの出来事をわざわざ史書に書き記したのは、
    こんな馬鹿げた失敗をしないように、後世を戒めるためでした。

でも、思うに、これは無駄なおせっかい。

    うかつな行為をする人は、周囲からどんなに注意されても、
    まだ、自分でもどんなに細心の注意を払っていても、
    新手のポカをやってしまうのですから。

なぜそれが分かるのか?

    私も殷浩先生にかなり似ているからです。

彼の後、晋の輿望に押されて、いわばいやいや召し出されて、
次第に重責を担い、ついには救国の英雄となったのが謝安。

    この人、殷浩先生とは対照的なほどに深謀遠慮の傑物です。
    この人もとても人間的魅力に富んだ人なのですが、
    なぜか殷浩先生にも魅力を感じてしまうのが不思議です。

その理由が分かるような気がします。

    ああ、昔の人もぼくたちと同じように、先を読めないまま、
    あがきながら生きていたんだ、そう感じさせてくれる、
    数少ないエピソードの主人公だからでしょうか?




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by hologon158 | 2015-01-22 18:59 | ホロゴン外傳 | Comments(0)