570.17 ホロゴン外傅142「2015年1月18日 梅田はスイター日よりだった」17 さんざんな出来
付虹先生の揚琴レッスン、さんざんな出来でした。
今練習しているのは、
①「吐魯番的葡萄熟了」
②「在那銀色月光下」
どちらも新橿のウィグルリズムの歌の揚琴バージョン。
YouTubeで元の歌をお聴きいただくことができます。
どちらも恋の歌です。
①は、葡萄が熟す季節になったけど、自分の恋はなんだか....
というような、ちょっと暗い歌なのだそうです。
②はむしろ明るい曲ですが、途中で2度転調します。
最初は明るくD調で始まり、3度ばかり繰り返してから、
F調に転じて、ちょっと暗くなります。
最後に、もう一度D調に戻り、
明るく盛り上がっておわります。
②の途中のF調の部分が、
日本では絶対に作られないような微妙な調べ。
どこか引きずるようなわだかまる思いが切々と歌われます。
こう書いていますと、すでにおわかりのように、
私には体験したことがないような境地。
音楽といい、リズムといい、調べが醸し出す情感といい、
全部私には不得意な分野のようです。
でも、誰でもそうかも知れませんが、
反対物の一致のようなものに憧れるところがあります。
願ってもかなわないような、というより、
かなえたくないような青春の苦しさを揚琴で奏でる難しさ、
お分かりいただけるでしょうね?
そのうえ、先生が横で聞いているということだけで、
心が乱れてしまいます。
長年各種の専門家たちを前にして、
イニシアティブをとって仕事を進める、
そんな仕事をしてきた私が、
付虹先生の前に出ると、手も足も出なくなって、
転調すると、我が家ではすいすいと飛び移って、
易々と弾いていたはずなのに、
頭がぐちゃぐちゃになった感じになって、
弾けなくなるのですから、いけませんね。
本日の採点は「がんばって」(5段階の3)でした。
先生の玄関のドアを開けたとき、
先生が模範演奏を弾いていました。
玄関から十数メートル離れ、重いドアで隔てられている部屋から
聞こえてくるその音楽は、天上の調べのようでした。
どんな楽器でもそうですが、名手の手にかかると、
まるで別世界の至福の調べに変貌するものです。
この距離、つまり、素人と芸術家との間の距離が広ければ広いほど、
その楽器の可能性は大きくなる、そう言えそうです。
その意味で、揚琴はよい楽器なのです。
しかも、私の揚琴は先生が北京から運んでくださった、
全国大会指定の極上の楽器なのです。
もっともっと心静かに落ち着いて弾けるように、
精神を鍛え、心を澄まさなきゃ!
と言っても、どうすればそうできるのか、
さっぱり見当がつきませんが......
by hologon158
| 2015-01-28 21:24
| ホロゴン外傳
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