わが友ホロゴン・わが夢タンバール

578.00 古玉画帖3 「かなり老いたとはいえ、エルマジジイはいぶし銀の艶を見せ」



エルマジ(Hermagis)、
なんて語感が良いのでしょう?

   モーリス・ジャンドロンというチェリストが居ました。
   私もバッハの無伴奏全曲を持っています。
       「ジャンドロン」
       これも気持ちの良い語感ですね。

私は若い頃幾度も転勤をしました。

   どこに行っても、よそ者。
   若いのに、引っ張っていかなければならない立場。
   まず溶け込みたい。
   そのためには、顔と名前を覚え、朝から快活に挨拶。
   ところが、「おはようございます」って、
   緊張すると、「おはよ」の口の動きが緊張すると、
   かなり発声しにくいのです。
   今から考えると、「はようございます!」
   これならずっと発音しやすかったのになあ。
   ああ、センシティブだったのだ、若い頃の私は!

当時考えたのは、いっそアメリカに転勤したかった!

   「グッモーニン」「ハイ!」で済ませたのに!
   フランス語だったら、「Bonjour」?
   とにかくどこの国の言葉でも、一口で言えるのが挨拶語。

日本語はたいてい幾口も重ねる必要があります。

   というのも、日本の挨拶語の成り立ちは、
   階級社会での目下から目上へのご挨拶から由来しているからです。
   かしこまった気持ちがないと、発語できないようにできています。

   今時「さようなら」なんて言う人あまりいないかも知れませんね。
   「左様なら、おいとまつかまつりまする」なんて、
   ご主人様相手の言葉。

日本語そのものが高低語なので、発声しにくい。

   韓流ドラマでいつもうらやましく思うのは、
   韓国語って、なんて威勢のいい語感と発声なのでしょう?
   
そして、フランス語、もう完全に飴をなめなめしながら、
あるいは、氷をくわえて溶かしながら発声する言葉ですね。

   なんとも人を包み込むようなやさしさにあふれた言葉でしょう。
   「アンドレ」「ジャン」「フランシーヌ」「ジュリエット」
   日本人にはぜーんぶ発声は難しいけど、
   ぜーんぶ心がやさしくなる語感。
   そして、私の「エルマジ」、これも美しい語感ですね。

私の二人の娘もそんなやさしい語感の名前を選びました。

   ほとんど母音だけでできている名前。
   しかも、当時、まだ名前用漢字として認められていなかった字。
   我が子にはできるだけ独自の名前をあげたかったから。
   そして、肝心なことは、将来恋人が呼びやすいように。

   でも、性格はかなり厳しいですね、とくに父親には。
   このあたりは、遺伝ではなく、母親の影響かもしれません。

なんだかどんどんと話が逸れてしまいましたが、
そんな柔和な語感のエルマジの写りはどうだったか?

   まさにパリそのものではありませんか?
   あたたかく、シックで、ゴージャス、
   そして、どこか神秘的。

   往年のシャンソン歌手コラ・ボケールの、
   猫がのどを鳴らすような、独特のビブラートを思い出しました。





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by hologon158 | 2015-02-23 12:12 | 古玉画帖 | Comments(0)