626.07 ホロゴン外傅155「2015年12月12日大和路ならPetzvalにお任せ」7 松下清司さん
前回のラストに、アトリエの玄関光景を出しました。
今井町の画家松下清司さんのアトリエ。
若い頃お描きになっていた絵を退職後再開されて、
画家として第2の人生を満開させておられる方です。
お許しを得て、アトリエ内部の光景を撮らせていただきました。
感じたままに描いておられます。
けっして巧く描こうとされていない。
だから、一つ一つの絵がメッセージを発しています。
心をわくわくさせて生きてるよ!
巧いけど、なんだか技術だけで描いている、
そんな絵によく出会います。
巧いけど、なんだか技術だけで撮っている、
そんな写真にもよく出会います。
デジタルカメラになって、まず撮っておいて、
フォトショップで自在に加工して仕上げる方が増えているようです。
よほどのアート感覚がない限り、
写真はどんどんとよそよそしくなります。
撮影の瞬間に心は躍ったのだろうか?
それとも、ここは一つシャッターを切っておこう。
あとで凄い写真に仕上げることができそうだ、と、
まるで解剖のような冷静な打算で撮ってはいないでしょうか?
絵にはそれができませんね。
一筆一筆が絵を変えていきます。
どこかで、筆を置きます。
それが画家の絵。
そんな一線を超えた後で、描き加えると、
どんどんと絵が死んで行く、そんな完成度が傑作の印なのでしょう。
デジタルカメラになって、私は写真芸術の可能性は
ますます狭くなった、そんな感じがしています。
撮影の瞬間の心の揺らぎが写し止められていない写真なんて、
ただの加工食品でしかない。
私はそう信じています。
松下さんの生き生きとした表情が印象的でした。
[後書き]
こうやってアトリエ写真を並べてみて、
私がアトリエ風景など撮らず、
いつものロボグラフィを撮っていることは明白。
画家の実像をまるで伝えていない。
私が感じたことしか出ていない。
ちょっと申し訳ない感じ。
by hologon158
| 2015-12-24 12:12
| ホロゴン外傳
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