わが友ホロゴン・わが夢タンバール

639.05 ホロゴントラベル29「2016年4月1日ホロゴン15㎜F8Uが角館にご挨拶」5 ルーク・ケリー



ダブリナーズ
ご存じでしょうか?

ジェームズ・ジョイスの短編集だろう?
いえいえ、違います。
ボーカル・グループ。
アイリッシュフォークの髭面の野郎ども。

私が知ったのは30数年前でしょうか?
妻がダブリンの短期語学学校に一ヶ月出かけたおみやげに、
かなりの数のアイリッシュフォークのCDがありました。
その中で一番気に入ったのがダブリナーズでした。

なぜ気に入ったか?
リードヴォーカルの猛々しいほどに凄みのある胴間声に
なぜか夢中になってしまったのです。
その声の主はルーク・ケリー。

その後私もアイルランドを友人二人と周遊して、
ダブリナーズのCDを買いあさりました。
とても美しいテナーのリードヴォーカルも居て、
その人の名はケニー・ドリューでした。
でも、私のお気に入りは依然としてルーク・ケリーでした。

当時はYouTubeもなかったし、
CDのジャケット写真にも説明はなかったので、
誰が誰やらわからないまま。
でも、その声と一番合うのは一番毛深い、
ちょっと野獣的な風姿のこの人だろうな、
そう推測していました。
顔と声はかなりの相関関係があるからです。

こうしてCDは聴いてきたのに、ネットを始めた後も、
うっかりしてYouTubeで検索するのは忘れていたのです。
先頃、友人に教えてあげるために、YouTubeで検索してみました。
すると、どっさり見つかるではありませんか?
わあ、すると、アイルランドでも有名なグループなんだな、
今でもまだ活躍しているんだな、と、うれしくなりました。

ルーク・ケリーが私の推測どおりの人だったことも分かりました。
元気で歌っているじゃないか、そう思ってうれしくなったのですが、
「ルーク・ケリー」と題する長時間番組が一つ見つかりました。
心臓がヒヤリとしました。
YouTubeで歌手や俳優の長時間番組が見つかると、
それがなにを意味するか、おわかりでしょう?
たいていの場合、追想番組、記念番組なのです。
見続けていると、突然、友人が
ルークの死を知らされたときのことを語り始めました。

大急ぎでウィキペディアで検索してみました。
こんな記載が出てきました。
Luke Kelly (17 November 1940 – 30 January 1984) was an Irish singer,
folk musician and actor from Dublin, Ireland,
notable as a founding member of the band The Dubliners.
The Irish Post regards Kelly as one of Ireland's greatest folk singers
and "important cultural icons.
なんと1984年にたった44歳でなくなってしまっていた!
1984年って、私がルークを知った頃と前後するじゃないか!

彼の歌にはとても荒々しいものがあります。
彼の容貌が物語っているのですが、極貧の中に生まれ、苦労して育ち、
一生プロテストに生きた人のようです。
伝説的存在。
でも、私には、そんなことは
声と歌いっぷリコーダーを聴いただけで分かることでした。

一番ショックだったことは、
生きて活躍しているんだろうな、と、
なんの根拠もないのに、そう思いこんで長年生きてきたこと。
ところが、ルークは私が彼を知った頃にはこの世にはいなかった!
理不尽ですが、ちょっと裏切られた、そんな感じさえしました。
なぜって、彼の歌は今もなお生きていて、
私を力づけてくれるからです。

アイルランドを一緒に回った親友も、
退職したら二人で世界中旅行しようと言い合っていたのに、
その後数年で突然世を去ってしまいました。
このときも裏切られたような気持ちを拭うことができませんでした。
ルーク・ケリーが生きていたら、まだ76歳、
私の親友も生きていたら、まだ67歳なのです。
どちらもまだピンピンしている年齢。

ときどき思うことがあります。
私にとって大切な人間は私の許しなしに世を去ってはならない!
願わくば、みんな元気で、私より長生きしてほしい!

ダブリナーズで一番好きな歌は次の曲です。
Luke Kelly Black Velvet Band
(https://www.youtube.com/watch?v=CBRQM0vErH8&index=10&list=
PL1kIeRJejsQaOFqd5x1peLcNsxGEyhZTv&nohtml5=False)
私のCDでのルークはもう一回り野生的なのですが、
YouTubeで見つかるビデオもなかなかのものです。

その歌いっぷりを見ながら、つくづく思いました、
こんなにたくましい男が日ならずして世を去ってしまう?
しかも、私の許しもなく?
許せない!

近頃連絡をとっていない長年の友人が一杯います。
ルークのようなのことがあるんじゃないか、
そう考えると、なんだか今更連絡するのが億劫になります。
でも、向こうもそう感じてるんじゃないでしょうか?
どっこい、私はピンピンしているんだけどなあ..............

そこで、考えました。
大変に稀な例かも知れないませんが、
この世には猛烈に幸運な人が居て、
その人の大切な家族や友人たちは、
その人が天寿を全うするときには、
全員まだ元気で生きている、
そんな人がこの世にはいるのではないでしょうか?
メシューゼラもそんな人じゃなかったかな?

よし、これまで起こったことは変えようがない。
でも、これからは、私の大切な家族や友人たちには、
私が死ぬまで全員元気で生きてもらうことにしよう!
そう決めましたので、
神様、よろしく!





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by hologon158 | 2016-04-10 11:06 | ホロゴントラベル | Comments(0)