680.01 ホロゴン外傅192「2017年1月19日梅田のスーパーアンギュロン」1 過ぎたるもの
楽しい言葉が残されています、
「家康に過ぎたるものは二つあり、唐のかしらに本多平八」
徳川家康の武将として活躍した本田平八郎忠勝をたたえた言葉ですが、
生涯に50回以上大小の合戦に参加しながら、一度も傷を負わなかった、
というのですから、大した勇将だったようです。
中国の三国時代の英雄関羽にかなり近い存在だった感じがします。
でも、生涯自ら戦闘のまっただ中にあって国を切り取った劉備と、
その股肱の勇将として、生涯戦場を駆け巡った関羽の二人と異なり、
家康は、辛抱に辛抱を重ねた政略によって国を従えた政治家でしたから、
本田忠勝はついに関羽のような重きを成すことなく生涯を終えました。
そこで、アナロジーが働きました。
「hologon158に過ぎたるものは三つあり、
ビオゴン21㎜F4.5にスーパーアンギュロン21㎜の2本」
この3本の21㎜は、一般的なレンズ史上もっともカリスマ性の高いレンズ。
どれが一番かは、人によって区区かも知れません。
もっとも名声、人気が高いのはスーパーアンギュロン21㎜F3.4でしょう。
でも、ビオゴンは、世界最大のレンズメーカーの旗頭、
その魔術的な凄みは他の2本をあるいは超えるでしょうし、
スーパーアンギュロン21㎜F4は一番地味な存在なのに、
その生命感の躍動する描写には眼を向きます。
私としては、この3本、使う度に思ってしまいます、
このレンズがやっぱり一番かな?
でも、そうまず感じることに、私は違和感を感じます。
この3本を使う度に、画像の凄み、面白さよりもまず、
「ああ、これは凄いレンズだ」と、レンズの凄みを考えてしまうことに、
私は居心地の悪さを感じてしまうのです。
ところが、ホロゴンは違います。
レンズのことなど、忘れます。
「ああ、こんな写真が撮れるなんて、思ってもみなかったなあ!
でも、楽しいなあ、嬉しいなあ!」
やっぱり私には「過ぎたもの」なのです。
私は写真家じゃない、ただの素人の写真好き。
凄い写真を撮りたいわけじゃなくて、
ああ、いいものに出会ったなあ、と嘆息したいのですのですから。
その意味で、レンズの凄みをまず感じさせるこの3本は、
私には過ぎたるレンズ、というわけです。
梅田でのスーパーアンギュロン21㎜F4、
一枚一枚から立ち上るカリスマ性に目を見張らされます。
やっぱり凄すぎますね。
by hologon158
| 2017-03-10 23:11
| ホロゴン外傳
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