わが友ホロゴン・わが夢タンバール

730.02 ホロゴンデイ206「2018年1月23日ホロゴン15㎜F8Uは奈良町に出現していた」2 愛するものたちへ



今期の催しものは、上村松園さんの子、松篁さんの作品、
「愛するものたちへ」展が展示された第2、第3室に移ります。
母子、作風はまるで違います。
松園さんは、美人画、人物画、風俗画を得意としましたが、
松篁さんは、偉大な母親との競争を避けたのでしょうか、
それとも、とても、敵わないと考えたのでしょうか、
動物、昆虫、子供をよく描いているようです。

江戸から明治の風情をかなり残している松園さんの画風と異なり、
かなり現代的日本画です。
日本画らしく、遠近感は捨象して、鳥たち、樹々たち、花たちが、
画面一杯にデザインされて、華麗です。

ただし、鴛鴦(オシドリ)の雄にはちょっとたじたじとなります。
目のまわりに目も覚めるような純白が華麗にデザインされた姿で、
美しい、というより、滑稽に感じられるのです。
そんなオシドリの雄たちが闊歩する絵は、
なんだか、私には違和感一杯でした。

むしろ日本画の伝統にかなり近い単色系の「早秋」「樹陰」「芦」、
こんな地味な作品がぐっと来ます。
画帖に金魚の秀作が沢山並んでいます。
正真正銘の名人の手、名人の目を感じさせてくれて、
見飽きません。

松園さん、松篁さん、お二人そろって文化勲章を受けておられます。
他にそのような例があるかどうか知りませんが、
凄いことですね。

才能もさることながら、作品作りの努力の凄まじさに頭が下がります。
花が一杯ついた枝を継ぎ足した大きな紙一杯に鉛筆で描いた下図。
お母さんの作品ですが、凄まじい気合いに満ちています。
二枚の美人画の習作も同様に、気合いがこもって、
それ自体がアートですね。
長時間集中力を保ったまま、一気に描き上げて行った、
そんな感じがします。
ベートーヴェンが交響曲を書き上げて行ったのと同じ勢い、
同じ没入なのでしょう。

ああ、芸術家でなくてよかった、
これが正直な感想です。
凡人、能無し、これが一番気楽!



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by hologon158 | 2018-07-07 23:20 | ホロゴンデイ | Comments(4)
Commented by 中将姫光学研究所 at 2018-07-08 01:31 x
たいへんご無沙汰しています。
私も昨年の関西文化の日に入場無料ということもあって訪れました。
わたしは全然分からなかったものですから、松園さんの美人の方が、伝統的なもので、昆虫や鳥を描いたものが新しいスタイルなのかと誤解しました。
先日ご紹介の杉岡華邨も未踏なので、分からないなりに見に行くつもりです。
見た、しかし分からなかったというのも、美術の観賞としては悪くないように思うようになりました。
いろいろご紹介ください。
Commented by M.Ishi at 2018-07-08 03:18 x
ホロゴン大兄、
松園展懐かしいですねー  たしか20年ほどまえ、日経の新聞連載小説に、松園を題材に、なさぬ師匠の子供を宿し、一人の女性芸術家、母親、子供の生きかた凄まじい3人の芸術家の内面のたたかいででした 確か女性画家1号で、江戸時代からの浮世絵画法の美人画(男性のきずかない女性からの表現をみつけ)またその子供は母親を超えるべき芸術家としての個性、精密写実技法とモチーフの編み出し、師匠、母親、女、子供といえども芸術家としては競争相手という人間を考えるのに大変よい人間教材でした
そう言う視点から作品を見れば、また芸術とはなきかという違う感想があるやも知れませんネー 
Commented by hologon158 at 2018-07-09 01:00
> 中将姫光学研究所さん
中将姫光学さん
久しぶり!
こちらこそご無沙汰しています。
紹介なんて、レベルではありません。
私自身が新鮮な体験に心身を曝すことが余りにも少なくなって、
自分が老化、風化しつつあるんじゃないか?
そんな懸念が頭をもたげてきて、考え方を変えました。
これまでは、今、やりたいことをし、行きたい所に行こう!
これからは、もう少し新しい体験に身をさらしてみよう!
それにしても、松園さん、松篁さん、杉岡華邨さん、入江泰吉さん、
奈良にも優れた芸術家がおいでになったわけです。
もっともっと味わいたいですね。
もちろん私も分かりません。
分かるようになるとも思いません。
分かった顔をするつもりもありません。
そんなことをしても、すぐに化けの皮ははがれてしまいます。
でも、自分なりに少しずつ反応が変って行く、
それを確認するのも一興です。
まだ、自分はなにかを感じられるんだ、ってことが分かりますね。
また一緒に撮影に出かけましょう!
Commented by hologon158 at 2018-07-09 01:14
> M.Ishiさん
松園さんって、まさにすさまじいばかりの気力に溢れる芸術家ですね。
そうでなければ、あんな絵は描けませんね。
どうも天井を突き抜ける偉大な人間たちの原動力こそ、さまざまの逆境だったようですね。
地位と名声に安住する画家たちがすさまじいばかりに嫉妬したのも当然ですね。
でも、人を羨む人間がそんな逆境を生涯はね飛ばし続ける芸術家を凌ぐことは絶対にありえませんね。
とすると、私は絶対にそのような芸術家にはなりえないことは明らか。
もちろんいかなる分野にも才能はないことはさておいても、生き方が違います。
人間誰しも当然のことながら、私も幾度も幾度も逆境に曝されはしたのですが、
松園さんのように、その逆境を跳ね飛ばそうなんてことはまるでせず、
逆境の中に楽しみを見つける才能だけ溢れんばかりに誰かから受け継いだようです。
まあ、それが一般庶民の生き方、私はそう考えて、
それでいいのだ、と人生を楽しんでいます。
ブログもその文章もそんな私のイージーな気分に横溢していますね。
自分で笑ってしまいます。