762.01 ホロゴン外傳246「2018年6月13日スピードパンクロ50㎜F2、奈良町で華麗に舞い」1 難問中の難問
今回は、中将姫光学さんからお借りしたダルメイヤーの名玉、
スピードパンクロ50㎜F2との最後の日々の記録です。
大事な借り物なので、なるべく近場で使うことにしていました。
でも、今から考えると、
もっと京都、大阪でも撮っておいたら良かった!
さまざまな場所、さまざまなもので描写性を確かめたら良かった!
私が所有する50㎜レンズの最高峰は言わずと知れた!
でも、あまり人の知らない!
アストロ・ベルリンのパンタッカー50㎜F2.3
スピードパンクロ50㎜F2と比較すると、
レア度、名声度いずれをとっても、
もちろんパンタッカーはとても及びません。
スピードパンクロ光彩陸離を絵に描いたような描写性もスペシャル。
パンタッカー50㎜F2.3はそんな描写力を競うつもりはなさそう。
このレンズの特質は、深遠な幽玄性にこそある、
私はそう信じています。
ですから、苛酷な問いですが、
神様からこう問われるとしましょう、
「どちらでもよい、欲しいと思う方を手元に残していいよ」
私がおずおずと、
「でも、スピードパンクロは中将姫光学さんの所蔵ですが....」
神様、にっこりお笑いになって、
「いいんだよ。
中将姫光学さんの方は私の方で適当に処理しておくよ」
神様のお力なら、
中将姫光学さんと穏便に折り合いを付けるのは簡単だろうな。
そう考えて、私、急にしぶとくなって、
「じゃ、どっちも手元に残したいとお答えしたら、
神様、どうなさいますか?」
実はこれが本心なのです。
神様、急に渋い顔になられて、
「きみぃ....., 調子に乗ったらいけんよ!!」
神様、どこの出身だろ?
というような疑問はそっちのけにして、
私も居ずまいを正して、真剣に思案を巡らしました。
そして、きっぱりと、
「神様、折角のありがたいご提案ですが、
やっぱりパンタッカーの方を選ばせていただきます。」
神様、にわかに相好を崩して、ニターリ、気味の悪い笑顔で、
「やっぱりな、そう来るじゃろうと、思っとったバイ」
なんだか、この方、神様に化けた悪魔だったかもしれません。
でも、神でも悪魔でもない私ですが、
実は、この問いは、スピードパンクロ50㎜F2を使うたびに、
常に私の心の中を過ぎったものでした。
回答はいつも決まっていました。
スピードパンクロ50㎜F2を使っているときは、「このレンズだ!」
パンタッカー50㎜F2.3を使っているときは、「いや、やっぱりこれだ!」
人間って、そんなに単純なものじゃないし、
名レンズは限りなく存在する、
これがこの世の真実なのでしょうね。
by hologon158
| 2018-12-21 16:39
| ホロゴン外傳
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