わが友ホロゴン・わが夢タンバール

1 友を選ぶのなら、つきあえばつきあうほど味の出るのがよろしいようで

1997年6月、私は、稀代の名機と知り合いました。
ホロゴンウルトラワイドHologonUltraWide
西ドイツのツァイスが1968年に製作した超広角15ミリ専用機です。
「知り合った」とは?
大阪のクラシックカメラ店「カメラのマツバラ光機」のショーウィンドウに
このカメラを見つけたとき、レンズと私の目とが合ってしまったのです。
そのとき、このレンズ、ホロゴン15ミリF8がたしかにキラリと光った!
私はそう信じています。
焦点は固定(被写界深度60センチから無限大まで)、
絞りF8固定(露出計なし)、
明るさはシャッター速度で調節(500分の1秒まで)、
と、シンプルそのもののカメラです。
レンズが埋め込まれた本体、レンズの真上に大きな四角のファインダー、
ただそれだけのブラック・フェイス・ボディ!
かっこいいの、なんの!
ただちにカメラ、レンズをいくつか売り払い、長期ローンを組んで、入手。
ところが、使ってみて、最初のフィルムを見て、でんぐりがえりました。
ほとんどの写真、両側に、ソーセージのような指が写っていたのです。
指が写らないようにするために、極めて特殊な持ち方をしないといけない。
機構は簡単なのですが、使い方は極めて難しい。
ちょっとカメラが斜めになると、画像が歪んでしまう。
ちょっと離れると、どーんとシネマスコープ画面になってしまう。
画角は15ミリ、目の前の120度が写るのです。
つまり、全部写るのです。
この稀代に難しいレンズをどう使いこなすか?
これが私に与えられた課題でした。
それから丸12年、
私がわが友ホロゴンのためにとった解決策、そしてその結果、
それをこれから皆さんにお伝えすることにしましょう。

[撮影メモ]
飛鳥の斜面に大きく手を広げた荻。
秋です。
爽やかな風にそよいでいます。
ひとむらの荻の根元ふきんにホロゴンウルトラワイドを差し入れて、
レンズを上に向けて撮りました。
荻とホロゴンとの距離40センチばかり。

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by hologon158 | 2008-08-07 18:34 | ホロゴンメッセージ | Comments(2)
Commented by canon095 at 2008-08-07 21:48
銀治です。
追いかけてきました(笑)
ここならホロゴンさんの写真を、今度は逃さずに見ることができる幸せがあります。
リンクも変更しておきます。
Commented by hologon158 at 2008-08-07 23:29
re/銀治ぃさん
本ブログのコメント第1号です。
よろしくお願いします。