わが友ホロゴン・わが夢タンバール

33.6ホロゴン写真展「1998年1月冬のネパール」6 古都パタンの闇をひとっ飛びしたお話


「リトル・ブッダ」の撮影地、パタンはカトマンズとは町つづき。
カトマンズに5泊してから、パタンに2泊しました。
ヒンズー教と仏教の寺院が林立し、壮観です。
日本人には異質なデザインのせいでしょうか、まさに宇宙的景観。
そんな寺院の一つに入ってみました。
日本のお寺と違い、ちいさな入り口から入ります。
すると、中庭に通じる通路の両側に、
一段高い休憩所のような板の間が作られています。
右側の板の間に男たちが4人談笑しています。
横になった男の足下には、疵だらけのバイクヘルメット。
逆光で4人のシルエットが燃えています。
すっとヘルメットにホロゴンを近づけて撮りました。
すると、男の一人(眼鏡の男です)が、
「なにをしているのですか?」
なんと、日本語。
「ヘルメットとあなたたちのシルエットが美しいので、撮らせてもらいました」
もちろん、ここでにっこり。
しばらくおしゃべりをしました。
その一人だけが日本語を今勉強しているのです。
幾人か日本語をしゃべれる人に出会いました。
それだけ日本経済がネパールにも進出しているのでしょうね。
暮れ方、レストランを見つけて夕食を頂いた後、
ホテルへの帰途につきました。
街灯などありません。
まるで暗黒。
突然、窪みに脚をとられて、宙を飛び、身体は地面に落ちたのですが、
不幸にも顔は溝に一瞬ドブン!
ほんの少し、泥水が口に入ったようでした。
懐かしいニオイ!
子供のころ、ドブで遊んだときのことが一瞬甦りました。
転倒しながら、肩のペンタックスMEが放物線を描いて一回転するのを、
なぜか感じました。
そして、バチャッという水音。
カメラが水たまりに落ちたのです。
自分の顔が泥だらけになっているのなどそっちのけで、
カメラから水を拭き取りました。
大急ぎでホテルに帰り、バスルームに飛び込んでまずしたことはカメラの清掃。
見上げた心がけですね。
MEの巻き戻しレバーの軸はASA感度の設定ボタンになっています。
このボタンの下に泥水が入り込んで、フリーになってしまいました。
でも、損害はその程度で、使えることを確認。
ほっとして、次にシャワーを浴びました。
膝小僧が血だらけになっていました。
翌日の夜、また現場を通りかかりますと、
その深い窪みにはちゃんと蝋燭が立ててあるではありませんか!
誰か、私が宙を飛ぶのを目撃したのでしょうか?
それとも、昨晩だけ、蝋燭を立て忘れたのでしょうか?
膝の傷はあとで化膿して、旅の間痛みがとれません。
持参した薬が効かないのです。
我慢ができなくなって、地元の薬屋(ぜんぜんそれらしくない屋台風)に飛び込んで相談。
すると、軟膏を処方してくれました。
これが俄然効きました。
外国で罹患した疾病は地元の薬で治すのが一番なのでしょうか?
ちなみに、泥水が少し入ったお腹の方はその後ますます元気そのもの。
旅に出て一度も不調になったことがない胃腸のせいでしょうが、
ひょっとして泥水って栄養があるのかな?

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by Hologon158 | 2008-10-13 20:30 | ホロゴン写真展 | Comments(0)