わが友ホロゴン・わが夢タンバール

34.15ホロゴンデイ13「2007年5月12日の西の京」15 オスカー・バルナックさん、ありがとう!


魔が差すという経験、おありでしょうか?
私は、先日、ありました。
ヤフーオークションでライカを検索してみたのです。
いやー、あるわあるわ!
残り時間が短い順に並べてみますと、
数百のオークションが1分後を先頭にずらりと並んでいるではありませんか?
ふと目に止まったものがあったのです。
バルナック型ライカⅡ型黒エナメル塗装。
なんと嘘みたいな廉価!
残り1時間というので、ちょっと遊び心を出してしまったのです。
生まれて初めてオークションに参加したのです。
登録は実に簡単。
様子を見極めてから参加しようと考えたのですが、
17000円からぜんぜん動きがない!
10分前になってしびれを切らして、17500円で入札してみました。
私が最高入札者に躍り出ました。
興奮しましたね。
なにかリアクションがあるはずと、固唾を呑んで見守りました。
なんにも起こりません。
こうなると、かえって逆に不安が高じるものですね。
さては、制限時間5秒前に入れる気だな!
よし、返す刀で返り討ちだあ!
15秒前、20500円を入れたのです。
なんにも起こらず。
ゲームオーバー!
突然画面が変わり、私がなんと17500円でめでたく落札していたのです。
狐につままれたというのはこのことでした。
友人に後で聞きますと、上から2番目の人が落札できる仕組みになっているとか。
それがどうして私なのか?
いずれにせよ、さっそく連絡を受けた振込先に代金を振り込みました。
送られてきたカメラは、玉手箱のように美しいものでした。
戦前のバルナックは板金加工ということで、後記のバルナックよりも小型。
手の中にしっくりとなじみます。
カメラボックスの中から手持ちのLレンズを出して付けてみました。
ズマロン35mmF3.5。
とっても可愛い、見事な工作の名レンズなのですが、クロームなので、合わないのです。
手持ちの文献を調べてみて、このカメラに合うのは一つしかないという結論に。
ニッケル・エルマー50mmF3.5、これです。
インターネットって、ほんとうに便利ですね。
さっそく調べてみて、ヨーロッパのお店で、これまた嘘みたいな廉価なエルマーを見つけました。
今、その最初のフィルムをスキャンしている最中なのです。
そして、ニッケル・エルマーの付いたライカⅡ型を前に置いて、考えました。
人類は、オスカー・バルナックに感謝しなければ!
こんなにも瀟洒で、こんなにも高性能のカメラをバルナックが考案してくれたおかげで、
カルティエ=ブレッソンが写真を撮る気になったのです。
そして、その写真が人間的なあたたかみをあまりにも見事に描写してくれたおかげで、
カルティエ=ブレッソンは、本来の志望である画家への道から外れて、
写真の世界に入ってくれたのです。
この幸運な出会いのおかげで、
私たちは、彼の生涯にわたる奇跡的な作品群をプレゼントしてもらうことになったのです。
さて、私の生まれて初めてのニッケル・エルマーの写真、
最初の10枚がスキャンできました。
1931年、なんと発売以来77年も経った古代レンズ!
それなのに、なんてあたたかい色合いなのでしょう!
なんて柔和で、しかも立体感のある描写なのでしょう!
私も感謝しなければなりません。
バルナックさん、こんなに人間味のあるレンズを作ってくれて、
ありがとう!
でも、この体験がなんで「魔がさした」と考えるのか?
皆さんには理解不能かも知れませんね。
こんなことがあって、なんだかライカ熱に罹患してしまったらしいのです。
これは、ホロゴン専科の私には、実にデンジャラス!
魔がさした以外のなにものでもないではありませんか!
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     [メモ]
      この写真たちは全部ホロゴン15mmF8による農家の家裏の写真です。
      エルマーの写真をいつお見せできるか?
      ちょっと予定がたちません。
      でも、いつもながら、そうなのですが、
      どんなに素敵なレンズも、
      ホロゴン15mmF8には絶対に歯が立ちませんね。
      でも、このこと、エルマーには内緒にしておいてくださいね。
by Hologon158 | 2008-10-23 18:24 | ホロゴンデイ | Comments(2)
Commented by andoodesign at 2008-10-24 08:02
今回の写真はパンフォーカスでありながら柔らかいホロゴンの表現力がとても良く見えて来ますね。
こんな写真を見ると16mmのGホロゴンは「ホロゴンでは無い」と感じます。

ふふっ、Hologon158さんでも魔がさすことがあるんですね...。
これを機に、ライカレンズの旅がはじまったりして...
何れ、とても刺激的なカメラとレンズを入手されたことは間違いありませんので、またこちらにお邪魔する楽しみが増えました。
Commented by Hologon158 at 2008-10-24 20:28
re)andoodesignさん
古代レンズはみんな線が太いのです。
リアリティと同じほどの線の太さというべきでしょうか?
ディジタルは肉眼を超えてしまいました。
だから、私のように銀塩一筋にやってきた人間にはとても信じがたいのです。
私の一生は「ふっと魔がさすだらけの人生」だった感じがします。
ライカって、ツァイスよりも線が太いのです。
カルティエ=ブレッソンの秘密はそこにあったような気がします。
それだけに、近ごろ、とてもとても魅力的に思えるようになってしまいました。
別に困ってはいませんけど、ホロゴンにライカが絡むと、
随分ややこしくなりそうです。
いつか見ていただきます。