わが友ホロゴン・わが夢タンバール

2008年 10月 25日 ( 6 )

35.6ホロゴンデイ14「2007年3月7日の宇治」6 写真を撮るのはカメラではなく、人間なのです


ときどき思うのですが、
ディジタルカメラの登場によって、
写真史は決定的な断絶を見る羽目に陥ったのではないでしょうか?
機材が、手の道具から、電気製品に革命的に飛躍することによって、
写真もまた別種のものになったように思われます。
撮ったデータは、後でどのようにでも修正することもできます。
一期一会とか一発必中といった名人芸を必要としなくなってしまいました。
ちょっと暗くなると、手ぶれ、被写体ぶれの危険をどう回避するか、
深刻なジレンマに襲われてきたのに、
今や、ほとんど暗黒でも写るのですから、世話はありません。
カルティエ=ブレッソンや木村伊兵衛の写真を見て、
アマチュアの人がこんなことを言っていました、
「こんな写真、もう古い。
今じゃ、誰でもこれくらいの写真、簡単に撮れますよ」
そんな風に感じている方、多いのじゃないでしょうか?
私は、そんな奔流の中で、取り残されようとしている古代人のようなものです。
私には、どんなにディジタルカメラが進化しようとも、
カルティエ=ブレッソンや木村伊兵衛の写真は撮れないと確信しています。
ある時代の証言という意味でそう言っているのではなく、
写真としての完成度、芸術的価値という面でそう考えているのです。
道具が進化すればするほど、
写真が簡単に撮れれば撮れるほど、
人間はイージーになっていきます。
でも、私は信じるのですが、写真を撮るのはカメラではなく、
人間なのです。
独特の個性を持つ人間が撮ることで、写真が人間的な肌合いを持ちます。
私が写真を生き甲斐とする理由はそこにあります。
そんな肌合いのあたたかさを感じたい!
木村伊兵衛の秋田の写真を前にしながら、
そんなことを感じました。
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by Hologon158 | 2008-10-25 21:28 | ホロゴンデイ | Comments(0)

35.5ホロゴンデイ14「2007年3月7日の宇治」5 吉祥天の雰囲気があるように思うのですが


平等院鳳凰堂はたしかに美しい建築物です。
でも、もともと藤原道長のお屋敷だっただけに、
寺院として見る限り、どこかアンバランス。
豪勢ですが、祈りの殿堂という雰囲気を持たないのです。
だから、私が生涯に入った回数は2回だけ。
これで結構です。
むしろコンクリート造りですが、
日を背にそそり立つ観音様の方がありがたい風情。
でも、さしもの観音様も、
天空指して両手をありったけさしのべる大樹の威容にはかないませんね。
とは言え、私の好みは、駐車場の上に高くそびえる一本木。
吉祥天の雰囲気があるように思うのですが…

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by Hologon158 | 2008-10-25 19:57 | ホロゴンデイ | Comments(0)

35.4ホロゴンデイ14「2007年3月7日の宇治」4 もし、この世に花が存在しなければ?


ちょっと男性的な視点から書かせていただきますが、
もし、この世に女性というものが存在しなかったら、
世界はもう少し平和になったかもしれませんが、
歴史はもっともっと退屈なものになっていたでしょうし、
人生はもっともっと暗いものになっていたことでしょう。
もし、この世に色彩がなければ、
芸術そのものが生まれてこなかったかも知れませんね。
そして、もし、この世に花が存在しなければ?
この世は闇ですね。
人の心はもっともっと殺伐なものとなり、
心を和ませることもなく、
なにかと言えば、切ったはったの出入り三昧になっていたいかも知れません。
アイスランドのサガを読まれたことがありますか?
殺伐として、たえず剣と剣とがガツンガツンとぶつかり合う世界。
大地が不毛で、緑が少なく、春が短かったせいかもしれませんね。
路地裏って、どの町に行っても、花がいつも咲き誇っています。
路地裏に住むひとたちって、
狭く暗い通りを明るく広く見せる工夫をいつも忘れないようです。
そんな工夫を確かめるのも、路地裏探索の一つの楽しみ。
そうだ、ひとつわすれていました、
もし、この世に猫がいなければ?
おっと、やめましょう。
あまりにも個人的な視点なので。

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by Hologon158 | 2008-10-25 15:38 | ホロゴンデイ | Comments(0)

35.3ホロゴンデイ14「2007年3月7日の宇治」3 紙切れは、ときとして、剣なのですね


貼り紙って、いつ頃から始まった宣伝手段なのでしょうね?
昔は高札に掲示したようです。
司馬遷の史記にまで、そのような記事がいくつも出てきます。
日本でも、児島隆徳が後醍醐天皇の御座所の庭の木に言葉を刻みます。
これも一種の貼り紙。
フランス革命のときにも、プロパガンダの手段として、
壁の貼り紙が大活躍したようです。
つまり、紙切れは、重要な政治闘争の道具であり、
ときには、剣なのです。
昨年、北京の胡同を撮影しましたが、
当局の告示とそれに対する対抗手段としてのビラが重なるようにして、
路地の壁面をにぎやかにしていました。
なんでもない紙切れ一枚、
だけど、その裏に官と民との熾烈な相克を感じました。
官と民とは剣を切り結んでいるのです。
日本では、貼り紙は主として身近なコマーシャルの道具として活躍しています。
路地裏となると、その貼り紙のちょっと時代遅れになったまま、
大事に残されているようで、なにかと面白い情報を与えてくれます。
でも、1枚目の掲示板は、貼り紙ではありませんが、ちょっと滑稽。
宇治市がわざわざ設置したらしいのですが、
上空って、どこを見ればよいのでしょうかねえ?
どうも、曲がり角に面して、ときどき工事用トラックが屋根を擦ってしまうようです。
でも、これじゃ逆効果では?
トラックが狭い路地に進入!
運ちゃん、ふと前を見ると、「上空注意」
なんだろ? 空からなにか降ってくるのかな?
空を見上げながら、カーブを回る。
ガチャン!
空に気をとられて、張り出した屋根に気づかなかった!

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by Hologon158 | 2008-10-25 14:35 | ホロゴンデイ | Comments(0)

35.2ホロゴンデイ14「2007年3月7日の宇治」2 暖簾に腕押し、お茶を濁す風写真でもうしわけありませんが


随分前、まだカメラ雑誌をせっせと買い求めていた頃、
その誌上コンテストで見た特選作品を思い出しました。
夜の飲み屋街とおぼしき、まさに夜の巷。
男がどうやら道ばたに座り込んで、うつろな眼。
涙があふれ出し、頬をぬらしています。
その顔だけをネオンの輝きを背景に撮ったカラー写真。
失恋したのでしょうか?
うーん、実に雰囲気が良く出て、見事に撮ったものだなあ!
最初は、感嘆しました。
でも、よく見る内に、なんだかおかしいぞ。
標準レンズで斜め下から撮っているのに、両目にピントが合っている。
撮影距離はどう見ても、1メートル以内。
ASA感度400の時代です、三脚を付けて撮っていることは明らか。
これが忍びよって撮ったものだったら、
男はもちろんこれに気づかないはずがありません、
鬱屈した心は、心ない出歯亀野郎に向かって爆発!
「おれが泣いているのに、なんだあ!
おれは見せ物かあ!」
カメラ、ガチャン!
もうお分かりですね。
完全な演出写真なのです。
もちろん演出が悪いとは言いません。
たとえば、ファン・エルスケンの最高傑作「セーヌ左岸の恋」は、
一人の女性を密着取材したと言いますが、
ローライ二眼レフの最短距離で撮っているのです。
はっきり、演出。
荒木経惟の出世作「センチメンタルな旅」も、
ご自身の新婚旅行の記録ですが、
これも、完全な演出。
誰が新婚のベッドに一眼レフを持って入りますか?
これが写真家の制作なのですから、誰も文句のつける筋合いではありません。
でも、私は、ノーメイキングを通したいのです。
なぜなら、私の写真は「制作」ではないからです。
うん、これはいい!
そう感じた自分自身のまさに「キャンディット(正直)な」気持ちを、
そのまま写真にしたいのです。
本日もそんな写真を2枚。
暖簾に腕押し、お茶を濁す風写真でもうしわけありませんが、
すくなくとも、演出写真でないことはお分かりいただけますね。

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by Hologon158 | 2008-10-25 10:49 | ホロゴンデイ | Comments(0)

35.1ホロゴンデイ14「2007年3月7日の宇治」1 女の子から始めることにいたしましょう


さて、新シリーズは宇治です。
宇治と言えば、全国のみなさん、きっと平等院を思い浮かべるでしょう。
ところが、私は思い浮かばなかったのです
そんなわけで、平等院は写っていません。
代わりに、女の子から始めることにいたしましょう。
これが宇治なの?
なんて、言いっこなしにしてくださいね。
私が、場所の位置を示すような典型物は撮らないことはもうお分かりではありませんか。
今回は、宇治で出会ったもの、人をアトランダムにどんどん並べてみることにしましょう。

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by Hologon158 | 2008-10-25 00:05 | ホロゴンデイ | Comments(0)