わが友ホロゴン・わが夢タンバール

2008年 11月 15日 ( 5 )

39.31 ホロゴン写真展2「2003年夏のネパール」31 風化を見晴らしよく見せてくれるもの


私の大好きな現象、それは、
風化、
腐蝕。
ただし、腐敗は嫌い。
なぜ風化、腐蝕が好きなのか、ようやく分かりました。
どちらも時間の現象なのです。
そのものに時間が与えた影響、
時間の経過、
それが一望の下に見渡せる、そんな現象なのです。
今回は風化を採り上げます。
都会で、そうした風化を見晴らしよく見せてくれるもの、
それは、ポスターと壁。
ポスターには、秘められたというか、大ぴらというか、
一つの使命があります。
合法にせよ、非合法にせよ、
許可ずみ、非許可ずみを問わず、
一旦壁にへばりついたら、テコでも剥がれちゃならない!
というわけで、ポスター君、壁際族にさせられた自分の運命にもめげず、
健気にがんばるわけです。
そのおかげで、齢を重ねて、めでたく風化を見ることができるのです。
カトマンズでもそんなしたたかなポスターを見ることができました。
ちょっと愉快なのは2枚目。
おそらく反政府的な政党のプロパガンダでしょう。
「我々は勝利するぞ!」
若い女性がりりしく気勢を上げています。
誰かが剥がそうとしたようですね。
ガリガリと壁まで傷つけるほどに執拗。
おかげで、ほとんど消えてしまいました。
ところが、見事、中心の女性は生き残っている!
不思議ではありませんか?
ほんのちょっとカリカリと紙を削れば、消えてしまうのに、残っている。
これじゃ、剥がした意味がない!
私の推測はこうです。
当局の命令を受けた下役、猛烈にがんばったように見せかけて、
プロパガンダの実効性は残るように仕組んだのです。
つまり、この下役、ポスターの政党のシンパらしい。
でも、私、とんでもない勘違いをしているかも知れませんね。
このポスター、証券取引所かオークション会場の宣伝なのかも?

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by Hologon158 | 2008-11-15 19:15 | ホロゴン写真展 | Comments(2)

39.30 ホロゴン写真展2「2003年夏のネパール」30 美女って、なかなか大変だなあ!

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カトマンズの大通りで、実にカラフルな美女を見つけました。
数歩すっと音もなく追尾して、
美女の50センチばかり背後でシャッターを切りました。
掃除のおばさん、美女に見とれていたのですが、
突然背後に迫った私にびっくりした表情。
私立ち止まって、そのおばさんにニッコリしつつ、
美女を見送りました。
いやあ、掃きだめの鶴の表現がふさわしい情景でした。
このとき、思ったのですが、美女って、なかなか大変だなあ!
いつも人に見られている。
でも、それが一つのステータスシンボル。
だから、彼女も、ふさわしい装いをちゃんとしているのです。
なんと目立つ色の組み合わせでしょう!
ピンクの履き物に、純白の上下、
これに真紅のベールでアクセントを付ける!
もうこれ以上目立とうと思っても無理なほどでした。
あなた、こんな姿、できますか?
随分前にパキスタンのカラコルムハイウェイを旅行しました。
パキスタンは回教国、女性は、外出時ベールで顔を隠します。
そんなところに日本人女性が顔もあらわに登場したのです。
行く先々で、若者たちがどっと集まり、
全員、あの黒々とした眼を開けるだけ開いて、
すさまじいほどに、凝視、凝視、凝視…
秘境ツアー参加の皆さん、もうしわけありませんが、
お世辞にも美貌とは言い難い方ばかりでした。
それが生涯にまったく体験したことがないほどの、
熱い凝視と注目の的になったのです。
さて、どうなったか?
皆さん、最初は仰天し、おびえました。
でも、しばらくすると、なんと堂々と振る舞いはじめたのです。
観られて当然、そんな自信に満ちた雰囲気が漂いはじめたのです。
私、そのちょうど逆の状態にあります。
長崎から帰宅すると、妻が、私を一目見て、仰天。
「あなた、私が寝ている間に出発したと思ったら、
そんなかっこうでうろついてたの?
なんてダサイ格好なの!」
私、人から注目されることのない、大変に地味な風貌なので、
写真を撮るのが大変に簡単なのです。
人が私をどう見るかなんて、ほとんど考えません。
どうせ見ないのですから。
不思議なのは、カルティエ=ブレッソンです。
190ほどもある大変な長身、
そのうえ、大変にナイーブな容貌。
さすがに長身ぞろいのヨーロッパでも存在感たっぷりですし、
まして、アジア、中南米ではぬきんでて巨大に見えたはず、
目立たないはずがありません。
それなのに、透明人間のように、近接で見事にスナップ。
気配を消すと簡単に言いますが、
そんな簡単に気配が消せたら、世話はありません。
このあたりの秘訣、カルティエ=ブレッソンから聞くことができずじまい。
きっと秘訣なんてないのでしょうね。
by Hologon158 | 2008-11-15 15:50 | ホロゴン写真展 | Comments(2)

39.29 ホロゴン写真展2「2003年夏のネパール」29 目の真上までシャボンまみれなのに


あたたかい午後、
お母さんは可愛い我が子を裸にして、
たっぷりのシャボンでごしごしごしごし。
乱暴なように見えて、手はやさしく動いています。
赤ん坊、目の真上までシャボンまみれなのに、
ちゃんとカメラに気づく余裕があります。
そして、お母さんの笑顔!
こんな夏の日ばかりではなく、
日々のお母さんの優しい慈愛が、
夜明け前の雪のように静かにこの子の心に積み重なり、
やさしい心を作り上げるのではないでしょうか?
このやさしさがネパールの文化を作り上げているようです。
こんなお母さんをもって、
この子は幸せですね。

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by Hologon158 | 2008-11-15 14:23 | ホロゴン写真展 | Comments(0)

39.28 ホロゴン写真展2「2003年夏のネパール」28 美しく装い、心身ともに美しくなって


今揚琴で練習している曲は、
リチャード・クレイダーマンの「愛しのクリスチーヌ」
これじゃなんのことか、ぜんぜんイメージが湧かない。
原曲を聴いてみなくちゃ。
そこで、原題が分かりました、
「Souvenires D’enfance」(少年時代の思い出)
これなら、分かる!
ああ、そうなんだ、過ぎ去ったあの頃を懐かしく思い出しているのだ、
幼い少年時代のあれこれから始まり、
そして、少女との出会いと淡い初恋、
でも、初恋はいつしか失われ、
残されたのは、ほろ苦い心の痛みだけ。
うわあ、これは難しい!
何ごともやるときは怒濤の勢いでやってしまう、
そんな性格の人間の弾ける曲ではありません!
クレイダーマンのCDを手に入れ、彼の音楽を聴き、
You TubeでSouvenires D’enfanceを検索して、
彼が弾くところを観ました。
なんてやさしい表情なのでしょう。
彼が一世を風靡した理由が分かりました。
Souvenires D’enfanceを弾くときには、
ほんとうにそのような気持ちになっているのです。
ロバート・ハインラインのSF小説で、
イエスをモデルにしたカリスマ的人物が描かれていました。
出会うすべての女性に恋されるのです。
その女性の一人がその気持ちを説明します、
「彼がキスをするときは、
この宇宙にお前以外には女性はいないよ!
そんな真実の気持ちが伝わってくるのです」
音楽を弾くときにもそんな気持ちが大切なのかも知れません。
まあ、やってみることにいたしましょう。
そこで、いつもの我田引水。
待てよ、写真だって、そうじゃないかな?
路傍に美しく輝くものを撮りたいのであれば、
真実、それを美しいと思っていなければ!
その瞬間、自分自身も美しくなっていなければ!

今回は、祈りがテーマ。
ネパールの女性たち、ほんとうに敬虔です。
祈りごとがどっさりあるのでしょうか?
美しく装い、心身ともに美しくなって、
真実の気持ちを込めて参拝し、祈禱しています。
そんな女性の美しい表情を望遠でとらえる、それもいいかも知れません。
でも、望遠を持たない私には、これが精一杯。
つくづく思うのですが、
ネパールの女性って、赤が似合いますね。

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by Hologon158 | 2008-11-15 11:08 | ホロゴン写真展 | Comments(2)

39.27 ホロゴン写真展2「2003年夏のネパール」27 その美を受け入れる準備がなければ


数知れぬ形の美があります。
これまでに、数知れぬ美に出会ってきました。
これからも、数知れぬ美に出会うことでしょう。
美の面白いところは、
それが美しいとは思っても見なかったものが、
ある形になったとき、美に変身することです。
でも、その美の形を同時に見た2人は、
1人は美しいと思い、
1人は汚いと思う、そんなことも数知れずあります。
美とはさまざまなもの、光、時間の一瞬の出会いなのですが、
その不可欠のメンバーが、それを見る人自身なのです。
受け手に、その美を受け入れる準備がなければ、
どんなものも、自分が美しいと主張できない。
それが美という現象がもつ独特の性質なのでしょう。
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今回の絵だって、その試金石になりますね。
たいていの方は、これを美しいとはお考えにならないでしょう。
考えようによっては、残酷な姿。
でも、なぜか、私にはこれが美しいと感じられたのです。
だから、撮りました。
写真になっても、やっぱり美しい。
どう美しいのか、説明しろと言われても、それは無理。
美というものは、感じるか、感じないか。
中間はありません。
本日、昼食を終えて職場に帰ろうとして、
いつも側を通っているビルの排気ダクトにふと目をやりました。
4年間、いつも見慣れていたはずの、ありふれた形のぼろダクト、
ところが、今日はそれが美しい!
これが美というものです。
路傍にそんな美を見つけたことがある方なら、
私の言いたいこと、
分かっていただけるのじゃないかな?
by Hologon158 | 2008-11-15 00:05 | ホロゴン写真展 | Comments(2)