わが友ホロゴン・わが夢タンバール

2008年 11月 29日 ( 2 )

40.14ホロゴン外傳6「2008年10月食後の一本」14 路地裏の美復権運動でも起こしましょうか


まだ、アンセル・アダムズ写真展の興奮が抜けきれません。
エドワード・ウェストンとアダムズは、1932年、
グループf64を結成しました。
その理想はストレートフォトグラフィー。
それまでの絵のような写真を追求する、いわゆるピクトリアリスムに対抗して、
写真本来の理想は全画面くっきりとピントが合うべきであると主張したのです。
アダムズは、全面パンフォーカス、超細密画像の理想を実現すべく、
撮影時の露出に万全を期したばかりでなく、
引き伸ばし時においても、
全画面精密に分割して焼き込み、覆い焼きの作業を実行したと言います。
引き伸ばし時のこうした作業は、下手をすると、
これ自体、ピクトリアリスムに玉戻りしかねない危険性をはらんでいます。
でも、実際のプリントを見る限り、そんな心配は杞憂、
実に見事なグラデーションと自然な光に満ちた、輝かしい風景写真。
私は、ホロゴン15mmF8によって、常にパンフォーカス撮影をしているだけに、
アダムズのこうした方向性には大いに共感するところです。
でも、彼の写真とはまったく似ても似つかない、路地写真。
でも、卑下するつもりはありません。
彼の理想がストレートフォトグラフィーなら、
私の理想はストリートフォトグラフィー。
アダムズは、国立公園運動を成功させました。
私は、路地裏の美復権運動でも起こしましょうか?
でも、私が申請しても、首相は会ってくれないだろうな。
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現代は、赤瀬川先生のおっしゃるとおり、老人力の時代。
先日も、大型バイクが二台ウィーンと勇ましく駆けてゆきましたが、
見ると、ドライバーはどう見ても60台後半から70台前半。
自転車乗り二人がヘルメットを前方に突き立てるようにして、
曲がり角を見事なカーブでクリヤーしていきましたが、
ヘルメットの下に見えた顔はお二人ともシワシワ。
この活力を窮地に立つ日本のために活用したいものですね。
by Hologon158 | 2008-11-29 22:56 | ホロゴン外傳 | Comments(2)

40.13ホロゴン外傳6「2008年10月食後の一本」13 アンセル・アダムズ、アメリカ大自然を撮る


本日は、写真家のAHさんと一緒に、
京都の京セラ美術館「アンセル・アダムズ写真展」に行ってきました。
実は、その直前、AHさんの事務所のギャラリーで、
彼が今年の夏北海道で撮ったモノクローム20点ばかりを拝見。
極めて精妙、極めて繊細、極めて鋭敏なモノクローム作品。
まるで宮本武蔵が写真を撮ったら、こんな風になったのでは?
そう思わせるような、まるで真剣白刃取りのような、
抜き差しならぬ構図と、センスと空気感溢れる情景描写。
武蔵の名作「枯木鳴鵙図」の枯れ木のような柱が海岸にすっくと立っています。
荒涼たる海岸線と遙かな岬を背景に立つ柱の孤高の緊迫感に、思わず、
「これ武蔵のモズの絵の枯れ木のようではないですか!」
1枚めくると、なんと、別の柱ですが、その竿頭に鳥!
北海道の広漠たる海岸線と開拓村のような素朴でプリミティブな部落、
これらが堂々たるスケールで描き出されていました。
その直後に、二人で京セラ美術館に入ったのです。
アンセル・アダムズのモノクロームプリントが60枚弱、
大変に美しいギャラリーに見事に展示されています。
信じがたいようなグラデーションと純白の輝き!
深い精神性を感じさせる名品の数々。
写真愛好家にも写真嫌いの方にも、つまり万人に見て欲しいものです。
これらのビンテージプリントを見れば、
写真が芸術か否かなどという議論は影を潜めるでしょうし、
日本の近年の作家たちのいわゆるビンテージプリントなんて、
アダムズのプリントに比較しますと、まるで素人の伸ばしだと分かるでしょう。
私にとって一番驚きであったことは、
AHさんの作品群とアダムズの作品群がなんの違和感もなく並び、
同質の感動を私に与えてくれたことでした。
AHさんがどなたであるか分からないあなたには、
私の言葉が大げさに聞こえることは十分覚悟の上の発言。
でも、私の心は躊躇なく、そう断言するのです。
こんな冒険ができて、私は今日という日に言いたいですね、
ありがとう!

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by Hologon158 | 2008-11-29 19:17 | ホロゴン外傳 | Comments(0)