わが友ホロゴン・わが夢タンバール

2009年 03月 26日 ( 11 )

57.30 ホロゴン外傳8「イギリス総集編」30 伸びたり、成長したりする線

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ジャン・ジャンセンの画集が3冊届きました。
先日、榛原の「ヨーロッパ版画展」で3枚見て以来、
ジャンセン、ジャンセンと草木も靡く勢いで、
私の心の中を駆けめぐっています。
けっしてメジャーな画家ではなさそう。
油彩にもリトグラフにも、厚みというものが決定的に欠けているのですから。
それが彼の持ち味と言えば、それだけかも知れませんが、
描線の向こうに肉体はないなとはっきり分かってしまうと、
むしろインテリア風の軽さが表面化してしまい、
心にずんと重くのしかかるインパクトは期待できなくなってしまいます。
でも、なんと言っても、彼の絵の素晴らしさは、
線!
ライン!
すべてがのびのびと伸びたり、成長したりする線。
画家が描いている姿が写真になっています。
腕をまっすぐ伸ばし、筆をその延長線において、
その尖端が軽くカンバスに触れているのです。
これが彼の描線の伸びやかさと緊張感の秘密かも知れません。
そんな風にまっすぐ伸ばして描くって、難しいのじゃないでしょうか?
それでも、こんなに見事に直線を手書きできるのです。
よほどの修練と、よほどの精神的統一!
ますます好きになりました。
by Hologon158 | 2009-03-26 23:16 | ホロゴン外傳 | Comments(0)

57.29 ホロゴン外傳8「イギリス総集編」29 またイギリスでハイティーを愉しむだろうか?

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この写真を見て、
No.28に書いた友人とハイティーを頂いたことを思い出しました。
大きなティーポット一杯の紅茶と、
大きなバスケット一杯のスコーン。
硬水のせいでしょうか?
イギリスのお紅茶はなぜか猛烈に香り豊かで美味しい。
そして、スコーン。
我が国でも近ごろスコーンが見られますが、
根本的に味と口中で砕ける感触が違います。
気がついたら2時間ほどねばっていました。
なにを話したか、ほとんどおぼえていません。
でも、名うてのカウンセラーだった彼とのおしゃべりは、
彼が聞き上手で、私に思う存分しゃべらせてくれるうえ、
話がどんどんと発展して、おもいがけない一致を見たりして、
いつも尽きることがなかったのです。
このとき、たしか彼のカウンセリングの仕事と、
私の仕事のある局面とがとても似ているという結論に達して、
二人で呵々大笑した記憶があります。
なにかの問題を話し合いで解決しようとするとき、
そのプロセスのなかで、
ちょっとした破綻、衝突、軋轢が起こることがあって、それが大事。
なぜって、それを乗り越えたとき、思いがけず急展開で心が一つになる、
そんなことでした。
私も彼も、そんな危機的局面を使って、問題を解決するのが得意だったのです。
今、私は、そんな裏技を必要としない仕事に移ってしまい、
彼は彼で、きっと神様のカウンセリングをしていることでしょう。
でも、あのスコーン、特別でした。
幾つ食べても、お腹がもたれなかったのです。
大きくて、とにかく美味かった。
私はいつ食べられるか分かりませんが、
彼は天国で多分たっぷりいただいているのじゃないかな?
by Hologon158 | 2009-03-26 22:14 | ホロゴン外傳 | Comments(0)

57.28 ホロゴン外傳8「イギリス総集編」28 震える友は捕虜に似ていた


緑の国イギリスにも荒れ地があります。
荒れ地をムーアと呼びます。
ハワースもムーアですが、
なんと言っても代表的なのはダートムーア。
親友と二人で、1日歩きました。
雨になりました。
ゴアテックスを持参していましたので、身体は大丈夫。
でも、靴は防水がないため、ぐしょぐしょになりました。
それでも、そんな荒野で、パンを切って、
地元のスーパーで仕入れたチーズ、卵、サーディン、トマトなど、
さまざまな具を詰めて、サンドイッチにして頂いたランチのこと、
友人が、サンドイッチをほおばって、ちょっと微笑んだこと、
今は世を去ってしまった彼が、
でも、あまりの寒さに小刻みに震えていたことなど、
忘れることができない思い出をここに置いてきました。

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by Hologon158 | 2009-03-26 21:40 | ホロゴン外傳 | Comments(4)

57.27 ホロゴン外傳8「イギリス総集編」27 ハワースのギタリストはかなり決まっていましたね

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ギターを見るたびに、思い出すのは、
「ギターは小さなオーケストラ」という言葉。
シューベルトでしたっけ?
巧い表現ですね。
でも、華麗な表現を尽くすギターよりも、
私の好みは、やはり、
ささやくギター。
どんな楽器でもそうですが、
美しくささやくときが、一番雄弁ですね。
恋のささやきを思わせるからかな?
by Hologon158 | 2009-03-26 21:09 | ホロゴン外傳 | Comments(0)

57.26 ホロゴン外傳8「イギリス総集編」26 あなたは、どちらがお好みですか?


B&Bの部屋の片隅、
どことどこだったか忘れました。
グレンコーでなかったことだけは確か。
あのときは、写真を撮る余裕はなかった。
この2枚、どこか似ていますね。
私の推測では、英国でも、B&Bの経営者たちが読む雑誌があるのです。
寝室の内部デザインのサンプルも提供されていて、
みなさん、せっせと顧客の印象をよくする工夫をしているのです。
あなたは、どちらがお好みですか?
私は2枚目。
おそらく、嵐が丘の舞台となった、ハワース。
まさに小説の雰囲気をほうふつとさせるようなデザイン。

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by Hologon158 | 2009-03-26 20:10 | ホロゴン外傳 | Comments(0)

57.25 ホロゴン外傳8「イギリス総集編」25 虐殺の故地であやうく犠牲者になりかけたお話


グレンコーはマクドナルド一族の虐殺の地として知られています。
名誉革命後に起きたこの事件はどうやらウィリアム王の政府の見せしめ的陰謀だったようです。
でも、虐殺の当事者であるキャンベル一族が憎悪の対象となったようで、
スコットランドの氏族間に大きな亀裂を今に至るまで残した事件。
このグレンコーに着いたのはすでに夕方。
フィヨルド風の入江の全土が真紅に染まっていたののです。
まるで、まだ虐殺を悼むかのような、血の色。
B&Bに荷物を置いて、飛び出しました。
日がとっぷりと暮れるまで、
カメラを持つ手までも赤く染まる、紅の刻を愉しみました。
大いに満足にして夕食に向かったのですが、
このとき惨事が待っているとは知るよしもなかったのであります。
小さな村です。
なんとそれぞれ一つしかないパブもレストランもすでに閉店しているではありませんか!
まだ午後7時なのに!
がっくりして、B&Bに戻りました。
シャワーを浴びたのですが、あなた、知っていました?
シャワーってお腹の足しにはなりませんね。
というより、むしろ空腹をかきたてるようで。
こんなときに限って、空腹がひどく応えはじめました。
ああ、この虐殺の地の最後の犠牲者として、あえなく餓死か?
そう人生をあきらめかけた瞬間です、
バッグにリッツを入れていたことを思い出しました。
このときのリッツって、美味しいなんてもんじゃなかったですね。
それ以来、リッツ2枚とコーンフレークスに牛乳をかける一皿が、
私の朝食のオードブルとなったのであります。
私がこれ位感謝の気持ちを忘れない、律儀な人間であること、
お分かり頂けますでしょうか?
今思いつきました、
なんでB&Bのご主人になにか食べるものがないか尋ねなかったんだろう?
律儀かもしれませんが、とんま!
翌朝、例の通り、豪勢なイングリッシュ・ブレックファーストを、
スコットランドですが、頂いたのです。
ベーコン・エッグとパンだけでも、極上の食事になったはず。
それならば、私は、以来、朝食にベーコン・エッグを頂く人間になっていたはず。
そして、メタボ?
いやいや、あのとき、リッツにしておいてよかったのだ!

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by Hologon158 | 2009-03-26 16:49 | ホロゴン外傳 | Comments(0)

57. 25 ホロゴン外傳8「イギリス総集編」25 考えたけりゃ、かってに考えてたらいいだろう!


易中天著「品三国」上巻(翻訳名「三国志 素顔の英雄たち」冨山房インターナショナル)
読み終わりました。
面白い!
納得する!
新しい発見が一杯!
中国の三国時代の英雄たちの実相に迫ろうという意欲作。
私が高校時代「三国志演義」に夢中になった話は書きました。
後年、筑摩書房の世界古典文学全集から陳寿の三国志2巻も出ました。
これも夢中になりました。
古典期ギリシャ、周の末期、ローマ共和制末期、ルネサンス、エリザベス朝、ルイ14世の世紀、
20世紀中国、日本の源平時代、戦国時代、江戸幕府の幕末、
これらのいわば「回天」の時代って、たまりませんね。
とにかく、人間がでっかい!
そんな巨人たちが死にものぐるいに戦うのですから、
もうスペクタクル!
三国時代も、魏呉蜀鼎立の創業の君主、曹操、劉備、孫権、
この3人を補佐した数知れぬ名臣、名将たち、
とくに、諸葛孔明、関羽、張飛、周瑜、魯粛、みんな魅力的。
彼らスケールの大きな英雄たちが中原を馳せめぐって、しのぎを削ったのです。
そんな三国時代の英雄たちの行動を、人間性を、
易中天さん、見事な見事な文章で解き明かしてくれます。
きわめて明快で、きわめて論理的なので、説得力があります。
こんな文章を日本の学者(古田武彦さんは例外)が書いてくれたらなあ。
日本の学者のお得意の決め言葉をご存知ですか?
「私はこう考えたい」
考えたけりゃ、かってに考えてたらいいだろう!
でも、人に向かって学説を発表するのなら、説得力のある説明をしろ!
そう言いたいですね。
易中天さんのこの本を学者たちに読ませたい!
でも、無理だろうな。
日本の学者の文章力って、筋金入りにダメなのですから。

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by Hologon158 | 2009-03-26 15:18 | ホロゴン外傳 | Comments(0)

57.24 ホロゴン外傳8「イギリス総集編」24 祭りだ、ワッショイもほどほどがよろしいようで


銀治ぃさんが、WBCばかりに日が当たる昨今のご時世について苦言を呈しておられました。
私も同感。
実はまったく観戦せず、インターネットで結果を知りました。
日本もアメリカも、今や、ローマ帝政末期同様に、
私の勝手な造語ですが、「祝祭型社会」に成り下がってしまいまいした。
権力者やマスコミの操作で容易に燃え上がり、
「日本」だ、「日本民族」だあと、祭りだ、ワッショイと大騒ぎして、
しばらくすると、踊らされている浮動層は、さっと沈静して、
次のお祭りにどっと乗り換える!
なんのことはない、次々と行事があって、
その度に駆り出されて、沿道で日の丸を振らされているようなものです。
日の当たらない場所に追い込まれたものは、その陰でひっそり閑。
こうして、たとえば、
東京だけに日があたり、その他の地方はまったく忘れ去られ、
サッカー、オリンピック、野球だと日があたると、
他のスポーツはマイナーにまわされて、ひっそりたそがれるという次第。
だから、私はテレビ、新聞を観ないのです。
その手に乗って、たまるものですか!

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by Hologon158 | 2009-03-26 12:25 | ホロゴン外傳 | Comments(0)

57.23 ホロゴン外傳8「イギリス総集編」23 行き過ぎた戦備は自己破壊的

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この甲胄をロンドン塔で見たとき、思いました。
こんな甲胄で戦えたはずがない!
重い!
固い!
窮屈!
暑い! (太陽が当たれば、まちがいなくダッチ・オーブン!)
見えない! (スリット以外全部暗黒! 敵はどこだ?)
神聖ローマ帝国の皇帝フリードリッヒ赤髭王だったでしょうか?
十字軍の遠征中に、小さな川に落馬してしまい、そのまま溺死したという伝説がありますね。
周りの者がだれも助けられなかったというのです。
こんな甲胄なら、それも当然です。
一人で馬から下りることもできず、
下りても、腰も屈められないでしょうから。
モンゴル軍がポーランドのワールシュタットでドイツ騎士団を破った戦いは、
重装備の甲胄は、軽騎兵の機動戦には何の役にも立たないことを証明しました。
だから、こうした甲胄は、原水爆と同様に、
行き過ぎた戦備は自己破壊的であることの証拠として残されているわけです。
カメラ、レンズの買いすぎも同様かな?
by Hologon158 | 2009-03-26 10:58 | ホロゴン外傳 | Comments(4)

57.22ホロゴン外傳8「イギリス総集編」22 ハイホー、ハイホーって心軽やかに旅したものでした


趣味で写真を撮っている方、どなたにとっても、
写真というものが持つ第一の意味は、解放ではないでしょうか?
少なくとも、私にとって、写真は解放でした。
仕事は私にとって重荷だったのかも知れません。
そんな重荷を振り落として、自分に戻れるひととき、
それが夏の旅だったのかも知れません。
私は内省的な人間ではないので、
ひたすら撮って撮って撮りまくる、それが私の旅でした。
そんなフィルムの95パーセントはゴミ箱に消えてしまいました。
自分でも、凡庸そのものと分かるのですから、悔いはありません。
というわけで、イギリスの3回の旅も、
残されたポジは合計300枚だけ。
つまり、1回平均60本(もっと多かったかも知れません)として、
まさに5パーセントの生き残り。
その半分を今回ブログに載せることにしたのです。
人から見たら、ただの旅行写真。
でも、私にとっては、自分に戻って、のびのび生きている時間の記録。
懐かしい。
でも、もう戻れない。
時間的にも、あの頃に戻ることは不可能ですが、
それだけではありません。
写真的にも、もうあの頃に戻るつもりはありません。

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by Hologon158 | 2009-03-26 01:54 | ホロゴン外傳 | Comments(2)