わが友ホロゴン・わが夢タンバール

2014年 12月 29日 ( 1 )

564.08 ホロゴンデイ127「2010年1月9日の初撮りは大阪北浜だった」8 第九の演奏会



さて、第九の演奏会。

プログラムは、

    モーツァルト オペラ「皇帝ティートの慈悲」序曲
    そして、ベートーヴェンの第九交響曲「合唱」

演奏は、

    大谷直人指揮、京都市立交響楽団
    独唱者は、
    佐藤しのぶ(ソプラノ)、福永圭子(アルト)、
    二塚直紀(テノール)、三原剛(バリトン)
    合唱は、奈良フロイデ合唱団。

パンフレットには妻の名前も書いてあります。

    えらいものです。
    当たり前か?
    合唱団参加者の家族が観客のかなりの割合を占めているのでしょうから。

なぜそれがわかるか?

    簡単です。
    いつものコンサートよりはるかに騒がしい。
    後ろの年輩の女性の言葉がすごい、
        「いっぱい待ってたねえ。
        ここでまってください、と言われたけど、
        ちょっと滑り込んだら、ちゃんと入れるんだから。
        私なんか慣れてるから、すごく早く入れた」
    なんのことはない、順番抜かしして自慢しておいでになるのですから、
    どんな演奏会に慣れているんでしょうねえ?

さて、第九の演奏はどうだったか?

    壇上を埋めた演奏者たち、その一番奥は合唱団です。
    粛々と入場して並んだ団員たちを見て、とくに中央の男性陣、

        「ありやー......、しなびた年寄りばっかり.......」
        こんなので、ちゃんと歌えるのかな.......?

マンガの主人公のようにスマートな指揮者大谷直人はかなりの方のようです。
水際だった指揮ぶりで、颯爽たる第九でした。

京都市立交響楽団の演奏も迫力満点で、すばらしいものがありました。

    女性が多いのですが、演奏スタイルが凄い方が幾人もおいでになります。
    スカートの両足をがっと開いて、体を傾け、まさに入魂の演奏が楽しい。
    とても生き生きとした演奏で、管楽器、ビオラも素晴らしく、満足。

私にとって問題はやっぱり第九の音楽。

    私は以前よくレコードで聞いたことがありますが、
    いつも第三楽章からかけていました。
    最初の2楽章のモチーフが、第三や第五と異なり下降モチーフで、
    それでも曲がりなりにもぐっと盛り上がったと思ったら、
    ぴたりと終わって、また振り出しに戻ります。
    海辺の濡れた土を盛ろうとしても、寄せくる波にその都度崩される、
    そんな気分で、気持ちがちっとも高揚しません。

第三楽章で、歌手陣登場。
いよいよ始まるぞ、という臨戦態勢に会場の空気がぴしりと締まりました。

    それぞれに個性的な容貌で、いかにも「歌える」感じ。
    冒頭のバリトン独唱も迫力。
    三原剛さんは30台でしょうか、今が盛りという感じで、
    往年の偉大なバス歌手チェーザレ・シエピにかなり似た渋い男性的容貌の持ち主。
    テナーの二塚直紀さんもなかなかのもので、
    やはり往年の大テナー、カルロ・ベルゴンツィを小型化したような、
    満々たる自信があふれ出てくる面構え。
    その面構えどおりに、迫力ある独唱でした。
    アルトの福永圭子さんもまさにできる人で、堂々たる歌いっぷりで、
    佐藤しのぶさんに一歩もひけを撮らない堂々の歌唱でした。

この日のトップスター、あふれた佐藤しのぶさんは、

    まさに独り舞台という感じでディーバの風格に溢れておられましたが、
    その歌唱についてはコメントを控えさせていただきます。

特筆すべきは、合唱。

    歌い始めた途端、ぶったまげました。
    怒濤となってホールいっぱいを満たしたのです。
    佐藤しのぶさんが驚きの表情とともに相好を崩したのが印象的でした。
    奈良のような田舎でこんな合唱を聞けるとは、という表情でした。

もともと独唱者の出番はかなり少ない曲です。
完全に合唱団が主役でした。

    なんだかフルトヴェングラーやカラヤンの合唱団たちに
    ちっとも引けをとらない緊張感あふれ、ど迫力。
    クライマックスではおもわず涙がこぼれる始末。

あとで聞くと、この奈良フロイデは常時演奏会を開いている、
大した合唱団なのだそうです。
だから、完全暗譜に徹していて、楽譜など見ません。

    妻は公募で飛び入り参加なのですが、
    隣で歌っていたベテランが妻にささやいたそうです、
    「あんた、ほんとに初めてなん?
    ちゃんと歌ってるやん」

私も驚愕しています。

    合唱と言えば、数年、ゴスペル合唱団に所属した経験だけ。
    でも、ゴスペルとクラシックの発声法はかなり違うはずです。
    まして、第九ともなると、歌いにくいことこの上もない難曲。
    ただ妻はなにをやっても、ちゃんとこなしてしまう人で、
    ドイツ語の歌詞と強烈にテンションの高い楽譜も、
    自然に暗譜してしまったそうです。

客席に居た彼女の友人のご主人も驚いて、奥さんにつぶやいたそうです、

    「びっくりだね、口を見たら分かるよ、
    ちゃんと歌っている!」

第九が終わり、京響のメンバーが退場すると、
暗闇の中一人抜け出ました。

    この後、合唱団が何とか言う合唱を歌って、
    観客を送るということになっているのですが、
    私は、この余分が嫌い。
    本番の演奏だけを心に残すことにしています。
    音楽に関しては、自分勝手なのです。
        (何に関してでもだろう、と外野席から声)

さいわい暗いので、妻にも発見されず、ほっ。
としたのは、私の油断。    

    妻、帰宅後、
    「あなた、一人だけさっさと抜け出て、
    真っ赤なマフラーを派手に首に回しながら出てしまったわね」

    モンベルでフリースのマフラー820円を手に入れて、
    あんまり軽くてあたたかいので、気に入って使っていたのです。
    これから気をつけなくちゃ。
    
    あなた、泥棒さんとかそれに近いお仕事の人なら、
    仕事に赤いマフラーはやめましょうね。

妻は来年春、ウィーンで第九を歌う旅に参加します。
どうやら彼女も立派に「第九フェチ」になってしまったようです。




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by hologon158 | 2014-12-29 19:05 | ホロゴンデイ | Comments(0)