わが友ホロゴン・わが夢タンバール

2015年 06月 15日 ( 1 )

602.03 ホロゴントラベル24「2016年3月5日三重にキノプラズマート変化」3 杉原広一さん


三重での発見と回心の二つ目を話題にしましょう。
フラウト・トラベルソのオリジナルコピーの製作者杉原広一さん、
彼が正真正銘の名人であること。
これがそうです。

彼がそのコピーを製作したラフィは、
驚くほどに美しく柔和な音楽を紡ぎだしてくれました。
演奏した友人の技量ももちろん加味されているのですが、
杉原さんの製作したオリジナルコピーが
そもそもとんでもないほどに優れているからなのです。

なぜなら、このコピーは、
他のさまざまな製作者のコピーと画然と区別する違いがあるからです。
これが企業秘密ですから、ここに書きませんが、
私の友人の説明では、
この違いを生み出す作業は、
他のメーカーが真似のできない工夫と手間を要するために、
誰も真似ができないのだけど、
この工夫こそ、オリジナルの生み出す音楽にきわめて近い、
独特の音質を生み出す秘密であるとのこと。

彼は、その言葉をリコーダーで証明してくれました。
友人は杉原さんが作成したアルトリコーダー、
偉大なリコーダー製作者であったステンブビーJR.、
この人の名器のコピーを取りだして弾いてくれました。
まず、その姿形、手にしたときの感触に驚かされました。
私がこれまで見たどのリコーダーよりも美しく、気品があり、
ずしりと持ち重りがあるのですが、とても安定感があります。
ローズウッドで作られているのですが、
そもそも作り自体が他と一線を画するようです。
そして、その音楽を聴いて、正真正銘ぶったまげました。
リコーダーのサウンドがこちらに向かって飛び出してくるのです。
あたたかく、輝いていて、芯があり、深みがあります。

この友人との出会いに触発されて、長年忘れていたリコーダーを始め、
杉原さんが今では使わないリコーダーを入門用としてわけていただき、
さらには先頃、アルトリコーダーの製作を注文していただきました。
ステンズビーJR.と並ぶリコーダー製作者デンナーのアルトです。
彼曰く、
「杉原さんのリコーダーが届けば、みんな不要になってしまいますよ」

彼がわけてくれたアルトリコーダーはドルメッチ製。
音がかすれて、とえも吹きにくく、
最低音など、にわかには鳴らせないという難物。
先日、日本の有名メーカーのリコーダーを10本ばかり
試奏させていただいたことは書きました。
輝かしく、弾きやすいリコーダーたちでした。
私のような素人でも、
きらびやかなサウンドに幸福感を味わえる楽器たちでした。
ところが、帰宅すると、我が家で待っていたのは驚きでした。
あの弾きにくいドルメッチから流れ出るサウンドはもっと地味ですが、
もっと高級感あふれる渋みをたたえていることに気づいたのです。

その後、毎日練習を重ねてきたのですが、
日々、音が変わっていくように感じるのです。
どうも日本のメーカーの10万円台以下のリコーダーたちは
素人でもすぐにそれなりの音で弾けるように工夫されているようです。
ところが、ドルメッチは苦労を重ねて特有の鳴らし方を次第に会得するのが
本来の楽器演奏の練習法なのでしょう。

いつか自分の心と楽器とが寄り添ったとき、
かなり一人前のサウンドになっている、
それが理想。

ところが、友人の杉原リコーダーを聴いてしまうと、分かりました。
そんな風に日に日に変わって行くドルメッチサウンドが、
実のところ、杉原リコーダーの足下にも及ばないかも知れない!
上には上があるということですね。

そんな杉原さんがなぜ有名にならないのか?
それは、もしかすると、彼の名人芸と関連しているかも知れません。
口コミでしか注文をお受けになっていないようです。
ある人は25年間待っているのだそうです!!!

ああ、私のリコーダーもそれくらい待つとしたら?
その頃、生きているだろうか?
私の葬式の席上、宅急便が到着します。
「東京の杉原さんのお宅からの至急便です!」
遺族が開いてみると、中から出てきたのは、デンナー。
書簡を開いてみて、びっくり。
「これ、デンナーっていう昔の縦笛なんだそうだよ」
その瞬間です、私の棺桶の蓋がガバッと開いて、
私の顔が出現しました。
「デンナーだって?
どれ、見せてご覧!
吹いてみるから」
ジャン・バティスト・レイエの一曲が忍びやかに会場に響き渡りました。

私もその頃にはかなり練習を積んでいるはず。
一曲弾き終わりました、
「よしよし、いいよ、
こんなリコーダーが欲しかったのじゃ....
後でお代をちゃんと払っておきなさいよ!
それからね、わたしからもよろしくって..................」




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by hologon158 | 2015-06-15 22:24 | ホロゴントラベル | Comments(10)