わが友ホロゴン・わが夢タンバール

2018年 01月 13日 ( 1 )

713.04 ホロゴン外傅218「2017年9月5日エクター50㎜F1.9で高畑町一巡」4 生きる意味


前回、古今亭志ん朝が63歳で世を去ったことを惜しむ文章を書きました。
年齢と人生の重みとの関係を思わず考えてみました。
ネットで有名人の訃報に接することがかなりあります。
一番気になるのは、たいてい私より年下。
有名人には多忙、過労に起因する疾病もあるでしょう。
さまざまな精神的労苦からの疲弊もあるでしょう。
有名人に限らず、20代、30代の夭折もたまにあるようです。

そこで、一つの疑問が浮かびあがります。
寿命を全うしない短命は、早すぎる死なのか?
ちょっと考えてみましょう。

「早すぎる」というのは、どういう意味なのでしょう?
自然的な寿命に照らして、という意味ではありませんね。
物故者の才能の十分な開花を待たずに、
あるいは、その人の生活圏の中でその人に課せられた使命を
十分全うしないで、という意味ですね。

そんな風に考えると、実のところ、
どんな人間も、早すぎる死を迎える運命にあるとも言えそうです。
私なども、才能は別になにもありませんが、
家庭の中で果たすべき責務はどんな年齢になってもなくならないでしょうから。

もっとも長生きをしたからと言って、
人生の価値を高めているというわけでもないでしょう。
そもそも人間にとって、生きたと言えるに値する人生を送らなければならない、
という使命があるわけでもありませんね。
遺伝子にそんな使命がそれぞれ組み込まれているわけではありません。
人間の社会が進むにつれて生まれてきた価値の一つ。
でも、人間に、生きるに値すると自他いずれかが、もしくは、
自他共に認める人生を送るべき使命が備わっているわけでもありませんね。

たとえば、古今亭志ん朝がさらに長生きをして、
父志ん生ほどの寿命を保ったら、どんな落語家になったか?
私たちが考えるのは自由ですが、
志ん朝さんに言わせれば、そんなの余計なお世話だ、
ってことになるでしょう。
彼が自分の人生をどう考えながら世を去ったか、
こんなことは誰にも分からないのですから。
むしろ、やるべきこと、やりたいことは十二分にやり尽くしたと、
満たされた気持ちで世を去ったかも知れませんし、
そちらの可能性の方が高い感じがします。

人間国宝になれなかったって?
あの世に持っていけない名誉を受けて、
なんの足しになるんだい?
へっ、笑わせやがる!

よくよく考えてみますと、
人間の人生を比較できるなんてことはありませんね。
人はそれぞれに他の人間と比べることのできない、
そして、比べる必要のない人生を送っている、
そう考えるべきです。

生涯の収支決算なんてありえません。
そんなことは誰にもできません。
なぜなら、神ならぬ身である私たちは、
自分以外の人間の人生を、評価できるほどの資料、眼力、鑑定眼など、
誰一人持っていないからです。

一例を挙げましょう。
古代アテーナイのソクラテスの行動、思考、人生を
プラトンとクセノフォンが書き残さなかったら、
誰もソクラテスのことなど知るよしもなかったのです。
ひいては、私たち人間が一人一人、その存在、人生により、
人類の思考の深化、文化に貢献しているかもしれません。
だとすると、知られているデータだけで人間を比較し、
その人の人生の価値、意味を値踏みするなんて、
無意味、有害ではないでしょうか?

そもそも死というのは初手から不条理なものです。
どなたもそうでしょうけど、
さまざまなジャンルでさまざまなすばらしい人たちの業績や人生に接して、
日々励ましてもらうのが私たちの人生ですね。
私など、グレン・グールドやマルタ・アルゲリチやジャクリーヌ・デュプレ
といった偉大な音楽家の演奏を数知れず聴いて、
励まされ、刺激を与えられてきたことか?
絵画、映画、映書物等を通じて、
数知れぬ偉大な人々の存在が私の人生に生きる意味を
計り知れず与えてくれてことか?
そうして得られたエネルギーを自分の身近な人たちとともに生きる指針、
エネルギー源、意味を生み出す一助になっています。

でも、そのような恩人たちの大半がこの世にはいない!
つまり、これまでの歴史、現代、そして未来への希望が一体となった
時空の広大なエリアこそ、私たちが生きる世界なのです。
そのように考えると、わくわくするではありませんか?
もしかすると、いかなる存在も忘れられることはない、
意識のレベルで気づくことだけが記憶ではない、
生きる基盤を提供してくれるのは、過去の世界全体なのだ、
私たちもすでに自分の前半生で貢献しつつあるのだ、
そう考えたいものですね。

このように考えますと、はかなく夭折した天才たちの貢献を、
しぶとく長生きした天才たちの貢献と比較することなどできない、
大切なことは貢献の質にある、そう考えることができそうですね。




c0168172_22434494.jpg
c0168172_22435061.jpg
c0168172_22435680.jpg
c0168172_22440138.jpg
c0168172_22440664.jpg
c0168172_22441331.jpg
c0168172_22443430.jpg
c0168172_22444666.jpg
c0168172_22445259.jpg
c0168172_22445854.jpg
c0168172_22450468.jpg
c0168172_22455542.jpg
c0168172_22460676.jpg
c0168172_22461152.jpg
c0168172_22461697.jpg
c0168172_22462307.jpg
c0168172_22471008.jpg
c0168172_22471854.jpg
c0168172_22475710.jpg
c0168172_22480348.jpg
c0168172_22494045.jpg
c0168172_22494193.jpg
c0168172_22502012.jpg
c0168172_22502690.jpg
c0168172_22503227.jpg
c0168172_22503810.jpg
c0168172_22504331.jpg
c0168172_22504991.jpg
c0168172_22505480.jpg







by hologon158 | 2018-01-13 23:40 | ホロゴン外傳 | Comments(0)