わが友ホロゴン・わが夢タンバール

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755.00 美との対話8「2018年10月22日この世の奇跡、敦煌石窟寺院に圧倒され」



今回は中国の美との対話。
世界の遺跡の調査が進むにつれて、
過去の文明が果たしてきた測りしれないほどの奇跡的な事業が、
各地に発見されつつあります。
その一つが敦煌ですね。

面倒なので、ウィキペディアから引用させていただきます。
「敦煌市の東南25kmに位置する鳴沙山(めいささん)の東の断崖に
南北に1,600mに渡って掘られた莫高窟・西千仏洞・
安西楡林窟・水峡口窟など600あまりの洞窟があり、
その中に2400余りの仏塑像が安置されている。
壁には一面に壁画が描かれ、
総面積は45,000平方メートルになる。」
日本の仏像の国宝は、ネットによれば、合計136件。
そのうち、75件が奈良県にあり、関西だけで128件。
まあ、ほとんどが関西にあることになります。
敦煌には日本の国宝クラスが数知れずあります。

ウィキペディアによれば、
作られ始めたのは五胡十六国時代、
敦煌が前秦の支配下にあった時期の355年あるいは366年で、
その後の元代に至るまで1000年に渡って彫り続けられた。
つまり、日本の仏像よりもはるかに古いものが沢山あります。
これに数知れないほどの壁画が加わって、
莫高窟は世界の至宝の一つに数えられています。
仏像だけとってみたら、約4年に1体ずつ制作されたのですから、
不可能な制作ではありません。
でも、どこの国に、1000年間も一つの地域で、
これだけの信仰の対象、信仰の証し、よすがを、
連綿と制作し続けることができたでしょう?

上記の本から、私の気に入ったものを選び出してみました。
完成度、美しさの高さは、信仰の高さを証明する、
と言うと、かなり事態をねじまげてしまいそうですが、
この地の人たち、莫高窟の建設維持に携わった人たちの、
真摯な祈りの気持ち、制作意志の強固さは、
もうそれはそれは凄まじく、まさに尋常ではありません。
現代人にこれだけの手仕事ができるんだろうか?

このように考えると、ここには、
人類の創造性の最高の証明の一つがある、
そう言ってよいでしょう。




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by hologon158 | 2018-11-27 15:32 | 美との対話 | Comments(0)

754.00 ホロゴンニュース4「2018年10月23日前田義男写真展 Inland Sea」


11月23日土曜日、写真展に参りました。
京都三条サクラヤビル6階のギャラリー古都。

   前田義男写真展
     「Inland Sea
      -時はゆっくりと流れて-」

私の古い友人です。
若いときから、写真の天分に恵まれて、
すてきな写真を撮り続けるアマチュア写真家でした。
「才能は天分。
才能がなければ、努力しても多寡がしれているよ」
そう、私に悟らしめた張本人が彼ともう一人の友人IUさん。
IUさんは今でも定職を持ち、現役で働いていますが、
前田さんは、すでに退職して、いくつもの写真教室で講師をして、
写真家として活躍しておられます。

もっぱらモノクロームを表現の手段として、
若い頃はまさに類い稀なストリートフォトの名手でした。
その後、都市景観の斬新な切り取りで名声を上げ、
プロ作家となってからは、これまでの修練の成果を駆使して、
人間を取り巻く環境を切り取った一連の作品群を組み上げて、
静謐の気配を表現する、独自の境地を熟成させつつあります。

作家のお許しを得て、持参したレンズで十数枚ピックアップして、
彼の独特の作風をブログ上で再現したいと思ったのですが、
持参したのはホロゴン15㎜F8。
開放値がF8だけに、暗い会場で撮った写真はざわめきに満ちて、
とても彼の個性溢れる作品展のエッセンスを伝えることは無理。
やむなく、私が愛してやまない一枚だけ紹介させて頂きます。

ただし、念のためお断りさせていただきます。
ホロゴンというレンズは、バロック的な過度の誇張の名人です。
ギャラリーのスポットライトの反射も写真画面に入り込んでしまい、
このレンズで前田さんの作品の静謐性を再現するのはとても無理。
ここでは、前田さんの作品の舞台を私がホロゴンで撮ったら、
こんな風になるかな、という試み、そうお考えください。




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by hologon158 | 2018-11-23 23:22 | ホロゴンニュース | Comments(0)

743.01 ホロゴン外傳241「2018年5月9日ビオゴン21㎜F4.5が天王寺で一暴れ」1 後知恵なら誰でも?




とんでもない本を少し読みかけてしまいました。
図書館で借りました。

柘植久慶著「世界の会戦 こう戦えば勝てた」
世界史上の転回点となった会戦、対決を取り上げて、
敗者側はこうすれば勝てて、歴史を変えることができた、
という趣旨です。
たとえば、関ヶ原の合戦の際、
石田三成はこんな風に行動すれば、家康に勝てた!
簡単なことじゃないか!

三章ばかり読んで、あほらしくなりました。
事件の当事者たちには手に入れることが不可能だった各種の情報、
とくに、その合戦後のその地の人間たちの運命、歴史の変遷、
この合戦に大きく関係した両当事者の歴史、国家体制、その歴史、
その他その時点での情報なんだけど、たとえば別文明の情報など、
当事者にはどんなにしてもキャッチすることができなかった各種の情報、
さらには、その当時、まだ存在しなかった思考法、知識、
(たとえば、世界史上のさまざまな戦術に関する知識、
多くの偉大な戦術家が最後に犯した失敗に関する知識)
そんなものを知っている筆者が、
そのときはこうすればよかったんだよ、
と、したり顔でのたまわっても、
私たちの歴史的な認識、見識、自分自身の人生での参考など、
欠片も手に入れるなどできません。

現在私たちがなにかをしようとするときも、
ハンニバルや三成とまったく同じ状態です。
知るべきであるけど、とうてい知り得ない情報が山ほど隠された状態で、
すべての決断を下さなければなりません。
だから、本書の製作にあたり、著者は、各事件の当時に戻り、
当事者が知っていたはずがない過去、現在、未来の情報は一切切り捨てて、
その当事者の立場、認識だけを前提として、
勝利を収めるためになにをすることができたかを探るべきでした。

あなたのことを考えてみましょう。
あなたが何歳であれ、これからどんな人生を歩むか?
来年、あなたは何をするか?
予測がつきますか?
あなたの過去を振り返って、
さまざまな人生の転回点を思いだし、
その時点にもう一度立ったとして、
その後の人生、世界のことなどまったく知らない状態で、
その決断をこう変えたら、こうなっただろうに、
と、正しく思い返すことができますか?
そんな風になるなんて、まった知らなかったんだから、
もう一度人生をやり返させてあげようと言われても、
どうしようもない、また同じことをやっちゃうだろうな、と、
両手を上げるより仕方がないのではありませんか?

人間はそうやって生きてきたのですし、
これからもそうやって生きていくほかはないのです。
人生には、それと知らずに、
死角だらけの曲がり角にいきなり飛び込むような冒険が、
所嫌わずいっぱい隠れているのです。
そんな冒険を、幸運にも衝突事故に遭わずに生きてこれたから、
今がある、それが人間です。

一例だけ挙げておきましょう。
筆者は、マホメット2世の率いるオスマントルコ軍に包囲された
コンスタンチノープルの中の富商たちは、
皇帝に資金を提供するなど一切の助力をしなかったと書いています。
帝都があえなく陥落すると、マホメット2世が指定した一部を除き、
すべての人たちが殺戮され、財産は略奪されてしまいます。
なんで必死に献金して豊かな予算をつぎ込んで、救援を招いて、
自分の命と財産を救おうとしなかったんだ?
柘植さんがこれをわざわざ書いているのは、
迫り来る運命に誰もが盲目だったという趣旨。
でも、著者は結果を知っているのですから、彼らの愚を笑うのは簡単。
でも、彼らは危機が幾度も襲来する時代に生きていたのです。
そんなに盲目であったわけではありません。
では、なぜ?
その理由は簡単です。
永遠の都コンスタンティノポリスが異教徒の手に落ちるなんて、
当時、誰も予測できなかったのです。
オスマントルコ軍がどんなに強力で、
この永遠の都を陥落させるために、どんな準備をしているのか、
そんなことも分かりませんでした。
孤立無援、これは危ないぞと悟ったときには手遅れだったのです。
そのとき、柘植さんがその場に居たら、彼だったら、
的確に対応策をアドバイスできたのにねえ、惜しかったなあ......
なんて、当の柘植さんも含めて、誰がそう考えますか?

柘植さんには現代の地球を救うための方策を是非教えて欲しいですね。
現世界では、毎年4000種の生命が死滅していると読んだことがあります。
つまり、生命環境は最悪の滅亡線を辿っているのです。
つまり、地球が供給可能な食料の量は激減しつつあるのです。
それなのに、人間だけは爆発的に増大する傾向を辿りつつあります。
(ねずみ算にちょっと近いほどにドラマチックな増加曲線)
でも、誰もが結婚したいし、
結婚すれば、子供は欲しいものです。
それも、一人よりは二人、二人よりは...
こうして、あと2、30年で、人口は100億を超えてしまい、
食料をはじめとする各種資源が枯渇して、奪い合いとなり、
地球は生き地獄と化すかもしれません。
そんなことは多くの人の目に明らかです。
でも、この地球全体を踏みにじるジャガーノートのばく進を
どうやって止めたら良いのでしょう?
これは誰にも分からないのです。
柘植さんに、尋ねてみたいものです。

空港を飛び立つとき、下界をご覧になったことがありますね。
最初は機内から街路上の人、車が見えます。
しばらくすると、人の姿が消えます。
そうして、もう少し上空に来ると、車の動きも見えなくなり、
さらに上ると町そのものがかすみとなって視認できなくなります。
私たちの世界認識って、こんな遙か上空から下界を見下ろす程度です。
そんな視点しかないのに、
自分を取り巻く社会のこれからの運命を予測し、
さらには、現にある危機からの脱出に成功するための方法を
見つけなければならないのです。
つまり、正しい方法を見つけだすための過去、現在、未来の
数知れない重要因子をしっかり認識できないのに、
とりあえず解決方法を見つけなければならない。
これが何時の時代にも人間に課せられた宿命なのです。

私たちは垂れ込めた厚い靄の中で、
定かに見えない敵と戦っているようなものです。
時々ではありません、人生のすべての瞬間、
こんな敵と立ち向かっているようなものなのです。
あなたの人生がうまく行っているとすれば、
あなたが賢明であるためだけではありません。
賢明であるばかりでなく、
とてつもない幸運に恵まれ、
しかも天の助けのような偶然が重なって来たからなのです。

これまで世界は多くの危難に見舞われて、
多くの文明は危難に耐えきれずに、滅亡してきました。
でも、地球上に人類が生息し続け、
曲がりなりにも進歩を果たしてきたのですが、
それは、常に新しい辺境を開拓する方法によってでした。
文明は常に局所的だったからです。

21世紀は古今未曾有のグローバル化の時代です。
地球文明はほとんど一体となってしまいました。
休閑地、後背地、未開の地、辺境、避難場所なんか、
全部なくなってしまいました。
今人類が使っていない土地は使い道のない死の地なのです。
これまでのように、ニューホライズンに明日を託す、
なんてことができなくなってしまった。

皆さんもそうだと思うのですが、
それぞれに明日を託したい子孫が居ます。
私にもまだ若い子供たち夫婦とその子供(私の孫)たち
が居ます。
私は生涯戦争を知らない、歴史上稀な幸運に恵まれた日本で
生涯を過ごしてこれた世代の人間です。
私たちの同時代に多くの国は戦争に巻き込まれていました。
こうなると、日本人や、その他、多くの戦争のなかった民族は、
稀と言うより、歴史上唯一の幸運に恵まれてきたのかもしれません。
子孫たちもそんな幸運に恵まれて欲しいものです。

柘植久慶をAmazonで検索してみると、396件もヒット!
信じられせん。
今、76歳ほどでしょうか?
ウィキペディアの記載によれば、
著作は1986年以来270冊を超えるとのこと。
つまり、
32年間営々と著述を続けて来たとして、一年あたり8.4冊!
まるで自動速記機械じゃありませんか?
そんな超高速文って、あなた、信じられますか?
まあ、頑張って頂きましょう。
私は近づかないことにします。



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by hologon158 | 2018-11-22 18:35 | ホロゴン外傳 | Comments(0)

743.01 ホロゴン外傳241「2018年5月9日ビオゴン21㎜F4.5が天王寺で一暴れ」1 後知恵なら誰でも?



とんでもない本を少し読みかけてしまいました。
図書館で借りた本です。

柘植久慶著「世界の会戦 こう戦えば勝てた」中央公論社

世界史上の転回点となった会戦、対決を取り上げて、
敗者側はこうすれば勝てて、歴史を変えることができた、
という趣旨です。
たとえば、関ヶ原の合戦の際、
石田三成はこんな風に行動すれば、家康に勝てた!
簡単なことじゃないか!

三章ばかり読んで、あほらしくなりました。
事件の当事者たちには手に入れることが不可能だった各種の情報、
とくに、双方の軍隊のスタッフ、戦備、配置、動き等の現場の状況のすべて、
その合戦後のその地の人間たちの運命、歴史の変遷、
この合戦に大きく関係した両当事者の歴史、国家体制、その歴史、
その他その時点での情報なんだけど、たとえば別文明の情報など、
当事者にはどんなにしてもキャッチすることができなかった各種の情報、
さらには、その当時、まだ存在しなかった思考法、知識、
(たとえば、世界史上のさまざまな戦術に関する知識、
多くの偉大な戦術家が最後に犯した失敗に関する知識)
そんなものを知っている筆者が、
そのときはこうすればよかったんだよ、
と、したり顔でのたまわっても、
私たちの歴史的な認識、見識、自分自身の人生での参考など、
欠片も手に入れるなどできません。

現在私たちがなにかをしようとするときも、
ハンニバルや三成とまったく同じ状態です。
知るべきであるけど、とうてい知り得ない情報が山ほど隠された状態で、
すべての決断を下さなければなりません。
ほとんど五里霧中。

だから、本書の製作にあたり、著者は、各事件の当時に戻り、
当事者が知っていたはずがない過去、現在、未来の情報は一切切り捨てて、
その当事者の立場、認識だけを前提として、
勝利を収めるためになにをすることができたかを探るべきでした。

あなたのことを考えてみましょう。
あなたが何歳であれ、これからどんな人生を歩むか?
来年、あなたは何をするか?
どんな風に生きて、どんな風に死ぬか?
予測がつきますか?
あなたの過去を振り返って、
さまざまな人生の転回点を思いだし、
その時点にもう一度立ったとして、
その後の人生、世界のことなどまったく知らない状態で、
その決断をこう変えたら、こうなっただろうに、
と、正しく思い返すことができますか?
そんな風になるなんて、まった知らなかったんだから、
もう一度人生をやり返させてあげようと言われても、
どうしようもない、また同じことをやっちゃうだろうな、と、
両手を上げるより仕方がないのではありませんか?

人間はそうやって生きてきたのですし、
これからもそうやって生きていくほかはないのです。
人生には、それと知らずに、
死角だらけの曲がり角にいきなり飛び込むような冒険が、
所嫌わずいっぱい隠れているのです。
そんな冒険を、幸運にも衝突事故に遭わずに生きてこれたから、
今がある、それが人間です。

一例だけ挙げておきましょう。
筆者は、マホメット2世の率いるオスマントルコ軍に包囲された
コンスタンチノープルの中の富商たちは、
皇帝に資金を提供するなど一切の助力をしなかったと書いています。
帝都があえなく陥落すると、マホメット2世が指定した一部を除き、
すべての人たちが殺戮され、財産は略奪されてしまいます。
なんで必死に献金して豊かな予算をつぎ込んで、救援を招いて、
自分の命と財産を救おうとしなかったんだ?
お前さんたち、アホか?

そうじゃありません。
その理由は簡単です。
永遠の都コンスタンティノポリスが異教徒の蛮族の手に落ちるなんて、
当時、誰も予測できなかったのです。
オスマントルコ軍がどんなに強力で、
この永遠の都を陥落させるために、どんな準備をしているのか、
そんなこと、ちっとも分かりませんでした。
孤立無援、これは危ないぞと悟ったときには手遅れだったのです。

そのとき、柘植さんがその場に居たら、彼だったら、
的確に対応策をアドバイスできたのにねえ、惜しかったなあ......
なんて、当の柘植さんも含めて、誰がそう考えますか?

むしろ柘植さんには現代の地球を救うための方策を是非教えて欲しいですね。
現世界では、毎年4000種の生命が死滅していると読んだことがあります。
生態系はどんどん壊れ、生命環境は最悪の滅亡線を辿っているのです。
つまり、地球が供給可能な食料の量は激減しつつあるのです。
それなのに、人間だけは爆発的に増大する傾向を辿りつつあります。
(ねずみ算にちょっと近いほどにドラマチックな増加曲線)
あと2、30年で、人口は100億を超えてしまい、
食料をはじめとする各種資源が枯渇して、奪い合いとなり、
地球は生き地獄と化すかもしれません。
そんなことは多くの人の目に明らかです。

空港を飛び立つとき、下界をご覧になったことがありますね。
最初は機内から街路上の人、車が見えます。
しばらくすると、人の姿が消えます。
そうして、もう少し上空に来ると、車の動きも見えなくなり、
さらに上ると町そのものがかすみとなって視認できなくなります。
私たちの世界認識って、こんな遙か上空から下界を見下ろす程度です。
そんな視点しかないのに、
自分を取り巻く社会のこれからの運命を予測し、
さらには、現にある危機からの脱出に成功するための方法を
見つけなければならないのです。
つまり、正しい方法を見つけだすための過去、現在、未来の
数知れない重要因子をしっかり認識できないのに、
とりあえず解決方法を見つけなければならない。
これが何時の時代にも人間に課せられた宿命なのです。

私たちは垂れ込めた厚い靄の中で、
定かに見えない敵と戦っているようなものなのです。
時々ではありません、人生のすべての瞬間、
こんな敵と立ち向かっているようなものなのです。
あなたの人生がうまく行っているとすれば、
あなたが賢明であるためだけではありません。
賢明であるばかりでなく、
とてつもない幸運に恵まれ、
しかも天の助けがあったからなのです。

これまで世界は多くの危難に見舞われて、
多くの文明は危難に耐えきれずに、滅亡してきました。
でも、地球上に人類が生息し続け、
曲がりなりにも進歩を果たしてきたのですが、
それは、常に新しい辺境を開拓する方法によってでした。
文明は常に局所的だったからです。

21世紀は古今未曾有のグローバル化の時代です。
地球文明はほとんど一体となってしまいました。
休閑地、後背地、未開の地、辺境、避難場所なんか、
全部なくなってしまいました。
今人類が使っていない土地は使い道のない死の地なのです。
これまでのように、ニューホライズンに明日を託す、
なんてことができなくなってしまった。

皆さんもそうだと思うのですが、
それぞれに明日を託したい子孫が居ます。
私にもまだ若い子供たち夫婦とその子供(私の孫)たち
が居ます。
私は生涯戦争を知らない、歴史上稀な幸運に恵まれた日本で
生涯を過ごしてこれた世代の人間です。
私たちの同時代に多くの国は戦争に巻き込まれていました。
こうなると、日本人や、その他、多くの戦争のなかった民族は、
稀と言うより、歴史上唯一の幸運に恵まれてきたのかもしれません。
子孫たちもそんな幸運に恵まれて欲しいものです。

でも、幸運は長続きしそうにはありませんね。
この地球全体を踏みにじるジャガーノートのばく進を
どうやって止めたら良いのでしょう?
これは誰にも分からないのです。
柘植さんに、ぜひ尋ねてみたいものです。




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by hologon158 | 2018-11-20 18:01 | ホロゴン外傳 | Comments(0)

752.00 美との対話7「2018年11月17日神のごときレオナルドの美にひれ伏して」



人間の中にはスペシャルな人たちが居ます。
その才能が神によって与えられた、としか言いようのない人たち。
偉大な人間さえも遙かに超越している存在。
そんなに沢山与えられたわけではありません。
ほんの一握りでしょう。
思索で言えば、ソクラテス。
彼のあとには、沢山の天才的な思索家が続いています。
でも、彼らはすべて彼以前の巨人の肩に乗っかって仕事をしました。
ソクラテスは違います。
「汝自身を知れ」なんて、彼以前には誰も考えませんでした。
彼こそが「人間とは何か?」という根源的な思惟の創始者なのです。

ソクラテス級のスペシャルな立脚点を見いだした巨人は僅かです。
音楽で言えば、モーツァルト。
美術で言えば、もちろん、レオナルド・ダ・ヴィンチ。

ルネサンスの巨人たちの評伝「ルネサンス画人伝」の作者、
ヴァザーリは、中国史における司馬遷、
古代ギリシア史におけるヘロドトス、トゥーキューディデース、
といった偉大な史家ほどではありませんが、かなり近い存在です。
なぜって、司馬遷たちは、長い歴史のある一部に光を当てました。
彼ら偉大な史家が出現して、大変な筆力で事績を記録し、
人類の宝としたからこそ、その時代の英雄たちは歴史上燦然と輝き、
後世に永く記憶されることとなりました。
彼らがいたからこそ、その時代の英雄たちは特別な存在となりました。
たとえば、項羽と劉邦の人間性、器、才能の違いは、
人類共通の記憶となりました。
でも、たとえば、唐の大宗李世民、明の太祖朱元璋、清の始祖ヌルハチ、
このような項羽と劉邦に匹敵するような歴史的存在の人柄、人生、業績を、
あなたは知っていますか?
彼らには司馬遷に匹敵するような偉大な史家はいなかったからです。

ヴァザーリはそこまで大きな仕事をしたわけではありません。
もし彼が「画人伝」を書かなかったしても、
上記3人は美術史にほとんど比類のない名声の記憶を人類に残しています。
でも、とにかくヴァザーリは16世紀に出現して、
ルネサンス期の偉大な画人たちの生き生きとした記憶を書き記してくれました。
ヴァザーリはミケランジェロの弟子でしたから、
師匠の伝記が白水社の訳書上では136頁と突出しています。
これに続くのがラファエロの50頁、
ジョットー、ティツィアーノの30頁、
ダ・ヴィンチの18頁。

でも、各伝の冒頭に破格の讃辞を特記しているのは三人だけです。
レオナルド、ラファエロ、ミケランジェロ。
レオナルドに対する讃辞はその中でもさらに破格です。
「この上なく偉大な才能が、多くの場合、自然に、ときに超自然的に、
天の采配によって人々の上にもたらされるものである。
優美さと麗々質、そして能力とが、
ある方法であふれるばかりに一人の人物に集まる。
その結果、その人物がどんなことに心を向けようとも、
その行為はすべて神のごとく、他のすべての人々を超えて、
人間の技術によってではなく神によって与えられたものだということが、
明瞭にわかるほどである。
人々はそれをレオナルド・ダ・ヴィンチにおいて見たのである」云々。
ヴァザーリはレオナルドのことを、さらにこう言います。
「真に驚嘆すべきであった神的な人であった」

さらに、ラファエロの項にもレオナルドのことが記載されています。
「たとえばレオナルド・ダ・ヴィンチは、男の顔を描かせても、
女の顔を描かせても他者の追随を許さぬものがあり、
とくに人物の優雅さや動きにかけては、
他の画家たちを遠く引き離している人だが、
彼の作品を見たときに、ラファエロは驚嘆し、茫然自失してしまった。
(中略)
全能力と全知識を傾けてレオナルドの様式を模倣するよう努めたのである。
しかし勤勉や努力にもかかわらず、いくつかの難しい点では、
ラファエロはレオナルドを凌駕することがついにできなかった。」

私は、ヴァザーリを読む遙か前に、レオナルドに出会った頃、
レオナルドのマントヴァ公夫人イザベラ・デステの素描に出会い、
それ以来、素描の神業にかけて、
レオナルドを凌ぐ人は居ないのでは、と考えてきましたが、
さらに、レオナルドの多くの素描、とくに自画像を見るにつけ、
さらに、ヴァザーリの「画人伝」を読んで、その思いをさらに強め、
現在まで意見を変えたいと思ったことは一度もありません。

上記の素描に描かれたマントヴァ公夫人イザベラ・デステは、
ルネサンスを代表する知性的な女性として大変に有名です。
その上、大変な美貌でした。
ところが、レオナルドは、上記の素描を一枚描いただけで、
それも他にやってしまい、ついにイザベラの絵は描かなかったのです。
しかも、たった一枚描いた素描のイザベラは横顔。
当時最も魅力的な女性であったのに、なぜ、こんなに消極的?

私は、こんな話が大好きで、勝手な謎解きを楽しむ癖があります。
ただちに、答えが頭に浮かびました。
私の回答はこうです。
レオナルドは、イザベラが嫌いだったのです。
賢いうえに、美しい。
その2つの武器を使って、男たちの上に君臨し、
イタリアの政界に大きな勢威を振るっていた。
イザベラは当代最高の女性として敬愛される生涯を過ごしました。
でも、誰よりも鋭敏で深い眼差しをもつレオナルドには、
イザベラの優雅な微笑みの陰にかすかな驕慢の奢りを感じたでは?
その上、女性よりも男性の方を愛する質であったことも手伝って、
レオナルドは、庇護者として君臨する女性に唯々諾々と従いたい、
なんて思わなかったのではないでしょうか?
まして、そんな女性のために、後世に残るような傑作など、
絶対に描きたくなかったのでは?

しぶしぶ描いた素描は横顔だったのもそのせいかもしれませんね。
正面像をまともに描いたりしますと、
レオナルドのイザベラに対するそんなマイナス感情がばれてしまう。
さりとて、本心を押し隠して、ただただ優美な公妃に見えるよう、
いわばフィクションとなるような描き方をするなんて、
彼には絶対にできない。
だから、なんとしても、描かないで済まそう、
そう考えたのではないでしょうか?

今回も、すべて顔を中心に、大幅にクローズアップして、
部分撮りに徹しました。
レオナルドの描線の美しさは筆舌に尽くしがたいものがあります。
いくつかはヨーロッパで直に観賞することができました。
作品世界の豊かさにおいては、ラファエロやミケランジェロに
はるかに及ばないレオナルドですが、素描のたった一本の線で、
それでも彼らに優るとも劣らない美の創造者であることを、
誰に対しても証明することができたのではないでしょうか?




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by hologon158 | 2018-11-17 22:19 | 美との対話 | Comments(0)

751.00 ホロゴンデイ210「2018年5月2日ホロゴン15㎜F8Uいつもの奈良町に繰り出して」


前にも書いたことがあると思いますが、
ある科学者の水分子に関する試算。
どこでもよいのですが、
たとえば、あなたの家の近くの海岸に行って、
コップ一杯の水をすくって、
これをグリーンランドの海岸に持っていって、
その浜辺の波に放り込みましょう。
そして、ネプチューンにでもお願いして、
海という海を完全に攪拌してもらいましょう。
それから、はるばる旅をして、
南米ラプラタ河口に佇み、すっと腰をかがめて、
コップ一杯の海水をすくい採りましょう。

さて、問題は、
「このコップの中に最初のコップの水は含まれているか?」
この問題を出した科学者がどうやって計算したか知りませんが、
答えはこうなんだそうです。
「イエス、含まれている。
100±10個の水分子が見つかる」
なんと90から100も!

海はそれほどに細かい分子によってできあがっているのです。
水分子って、こんなにも小さいのです。

こんな水分子と比較すると、
人間は、宇宙のように巨大なのです。
人間の脳で記憶情報がどうやって伝達されるか、
調べたことがありますか?
脳細胞の中にニューロンの突起が縦横に走り、
対応する次のニューロンと向かい合っています。
でも、ぴたりとくっついていないのです。
ミクロ的にわずかに隙間があるのです。
この隙間を電気が走り、情報を伝達するのです。
まるで宇宙戦争のような光景です。
ミクロだけど、壮大な景観なのです。

そんな形で伝達される記憶ファクターがどうして
「ぼくが9歳だったときの母との思いでの一つ」として、
脳裏を横切るのでしょうか?
ニューロンレベルのデータと意識レベルのデータとの間には、
一体何段階のプロセス、階層が介在しているのでしょうか?
まさにミステリーとしか言いようがありません。
でも、そんなにも複雑幽玄の存在が人間なのです。

もっとも、猿はもとより、猫や犬たちだって、
かなり人間に近い有機体オーガニズムなのです。
原子レベル、分子レベルから始まって、
無限の階層構造の中間のどこかで、
自意識を帯びる人間存在となるのです。
そして、もしかすると、そのような人間存在や、
それと同等の存在から幾段も幾段も上って行ったら、
その果てに銀河系となり、さらに上って行ったら、
神となるのかもしれません。

とすると、私たち人間は、
自分の体の中でニューロン単位で起こっている現象を、
そのレベルで意識し理解することなどできないように、
神も、人間レベルの事象を認識したり理解したりすることは
ないのではないか、と考える方が自然ではないでしょうか?

つまり、たとえ、神がどんなに慈愛深き恵みの神であっても、
その慈愛の心は神ご自身の存在を限りなく清く美しく、
限りなく健康的で創造的なものにする、
そんな方向に集中するのではないでしょうか?

人間でもそれが正しいやり方でしょうね。
できる限り心身を健康的にしたければ、
身体を鍛え、心を鍛え、良い物を食べ、しっかり睡眠をとる!
すべて外を整えることで、内にその影響を及ぼす、
そんなやり方しかないではありませんか?




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by hologon158 | 2018-11-14 23:59 | ホロゴンデイ | Comments(0)

750.03 ホロゴンデイ209「2018年3月31日ホロゴン15㎜F8Uが鶴橋詣で」3  美の裁定者



私はロングシートの通勤電車が大嫌いです。
目の前の7人掛けのシートに乗客が詰まっていると、
作文に精神を集中するのは難しいですね。

私のかつての友人の対策がすさまじい。
山手線なんに乗りますと、彼はまず整理作業に取りかかります。
前の席の7人のうち、この世界のために惜しくはない人から整理していくのです。
すると、たいていの場合、誰も残らない。
こうして人員整理を済ませると、心安らかに自分のやりたいことに取りかかれるという算段。

ずいぶん乱暴な人員整理法です。
一目見ただけで、そんなことが分かるでしょうか?
分かりませんね。
とるに足りない風貌、貧相な風采でも、
実は人生のいつかあるとき、世界のために、あるいは誰かのために、さらには、あなたのために、
かけがえのない貢献を果たす運命にあるかもしれません。
いかにも重要人物らしい堂々たる風貌の紳士が実は大悪党で、
この世のため社会のために小石一つ動かさないかも知れません。
私は風貌外見をまったく信用していません。

まだ若いとき、
東京地検特捜部の検事だった人が苦笑しながら言っているのを聞いたことがあります、
「私が生涯に出会ったもっとも秀でた容貌の人物は二人とも政界を股にかけた希代の悪党、詐欺師でした。
こういう輩は人を信用させるために、まず外見を立派に磨きあげるのです」

こんな言葉を若いときに聞くと、いけませんね。
もともと外観に気を使わない人間だった私はますます外観を忘れるようになりました。
服や持ち物など、自分で選んだことがない。
機能一点張り。
ひとつだけこだわってきたのは靴でした。
ただし機能面だけ。
一日中歩くのですから、いくら歩いても疲れないのがよい。
でも、これは私の外見をブラッシュアップするのに役立ちませんでした。
気に入ったものにぶつかると、ひたすらそれ一足で、
ほとんど穴が開くまで履きつぶします。

さて、人間の値打ちの話題に戻りましょう。
先日、JR大和路線で王寺に向かうときのことです。
大和路線の車両は二人掛け3列に四人掛け1セットのシートが2つで構成されています。
私は、これが大のお気に入り。
ロングシートで向かい合う車両が大嫌い。
いつも膝の上に置いたポメラDM20で作文するのが私の楽しみ。
文章を書くための第一の条件は集中できること。
いわゆるロマンスシートがベスト。
妻と同行するときは、常に窓際に彼女が座り、
私はおつきの者として通路側を守ります。
ふっと斜め前方4人席を眺めると、
目を上に向けた女性が目に入りました。
眉目秀麗、とても美しい横顔でした。
私は生涯ただ一人の女性しか愛したことがありませんが、
眼の洗濯は楽しませていただいてきました。
そのたびに、この世に女性と子供と動物たちがいなければ、
つまり、男しかいなければ、悪夢そのものだろうなあ!
これが私の正直な気持ち。

ところで、その美しい横顔の女性が視線を落として、
前方、つまり私の方に顔を向けたのです。
その方にもうしわけありませんが、
ゆとりを感じさせない窮屈な面差しで、
ちっとも美しくありませんでした。
私の趣味に合わないだけ、と言えばそれまでですが、
ここでの要点は、幸運な一点から見ると美しい容貌であっても、
別の観点から見れば、ちっとも美しくない、ということがある、
ということらしい。
逆に言えば、どこから見ても、ちっとも美しくない方、
たとえば、あなたや私ですが(失礼!)、
もしかすると、あなたが鏡で確認できない一点から見ると、
美しいかも知れないのです。

さらに、真剣な瞬間にはきりっと美しい人でも、
弛緩した状態ではゆるみきって、
別に美しくなんか見えないかも知れません。

全能の人、どこにも非の打ち所もない人なんて居ません。
逆に、完全無能、どこもかも欠点だらけ、という人も居ません。
あなたの周辺の人、あなた自身についても、このように考えると、
さまざまな美点が思わぬところに隠れているかも知れないのです。
気長に、注意深く見つめること、これが大切なようですね。

このような反省は写真撮影にも生きてきますね。
なにかフォトジェニックなポイントに巡り会っても、
無造作にシャッターを落としたりしないことです。
さまざまに視点を変え、
あなたの心にかなうイメージが見つからないかどうか、
いつも辛抱強く情景と向かい合うのが良いようです。

そうは言いつつ、実のところ、
私自身はそんな撮り方はけっしていたしません。
「これはいい!」そう感じたら、ずかずかと近寄って、
いきなりシャッターを落とします。
撮った後で、もっと良いショットの可能性を探ったりしません。
撮るときだって、たいていファインダーなどのぞきません。
液晶画面の場合、拡大設定で使いますので、
50mmや100mmレンズのピント確認だけで済ませます。
45年も撮っていますので、どんな風に撮れるか、
たいてい予測、想像できることもありますが、
一番の理由は、私が出会ったロボグラフィたちを、
出会い頭、新鮮な気持ちのままに撮りたいから。
ホロゴンウルトラワイドと出会って以来、
そんな撮り方に転身してしまいました。
そうして撮れたイメージこそ、私が出会った実像なんだ、
私はそう考えています。
だから、記憶に値します。
写真家は、自分の作品の鑑賞者の心を揺り動かし、
忘れ得ぬ印象を植え付けたいと考えるでしょう。
でも、私の関心事はただ一点自分の記憶をイメージ化する、
ただこれだけ。

もうしわけありませんが、
(というのは単なる修辞。ちっとも気にしていない)、
私の写真を稀に眼にする人がどう感じるか、
なんて、その人の問題であって、私にはなんの関係もない。
ネットに氾濫するブログの大半は私と同じスタンスでしょう。
写真家気分でブログ記事を投稿している人は稀でしょう。
よく言われる言葉がありますね、
「私は読者に責任がある」
多くのブロガーもそうでしょうけど、
そんなこと、夢にも考えたことがありませんね。

私の写真の先生田島謹之助さんはよくおっしゃっていました、
「1枚、2枚見ても確かなことは言えないけど、
3枚も見たら、その人のことを見抜けますよ」
私はついにそんな眼力を備えるには至りませんでした。
自分自身の写真だって何万枚観たか分かりませんが、
自分の性格など未だに皆目不明のまま。
まして、他人の性格なんか、
妻子や親友たちのも含めて、まるっきり不明。
みんなどんどん変わっているのですから。

というわけで、私以外の人のことはその人に任せて、
私自身は私の迷妄の泥沼をもがき続ける日々を送っているわけです。
これも楽しいものですね。
私は別に趣味の、美の、人間性の裁定者ではないのですから。





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by hologon158 | 2018-11-06 12:35 | ホロゴンデイ | Comments(0)

750.02 ホロゴンデイ209「2018年3月31日ホロゴン15㎜F8Uが鶴橋詣で」2 鬼門



私は我が子(猫ですが)のために、
一日3回の食事を準備します。
その最後が午後11時半前後。
昨日もその準備のために食堂に参りました。

食堂の隣が和室です。
襖が開いていました。
その襖の向こうに、末っ子のピッピの顔が見えました。
片目だけ襖から出して、
私の来るのをチェックしているのです。

この辺りが猫らしいねえ。
犬のように、ダイレクトにぶつかってきません。
食事の容易をするのは私と決まっていて、待っていたのに、
「ああ、嬉しい!」と言わんばかりに飛び出して来ない。
「そうかもしれないな... でも、ひとまず確かめなきゃ」
と言わんばかりの慎重さ。
つつましく、慎重なのです。

最長期にわたって人類の伴侶として生きてきた生物は、
おそらく犬と猫に尽きるでしょう。
でも、犬と猫とではスタンスがかなり違うようです。
犬は、犬自身がどう考えてきたかは分かりませんが、
人間の見地から見れば、完全に人間に従属してきた、
という感じがあります。
でも、猫については、そのような見地が疑わしくなります。
猫と人間、この両者の重心は、
fifty-fiftyとまで行かずとも、
少なくとも、fourty-sixty、あたりではないか?
そんな感じがします。
人間が猫を完全にコントロールできた試しはありません。
逆に、猫が人間をコントロールしてきた形跡はあります。
古代エジプトのように、神として崇められた時代さえあります。

我が家では、25年間にわたり、
かなり沢山の猫たちが家族として同居していました。
未だに一人一人の記憶はくっきりと残っています。
私たち人間家族と距離との距離、関係は、
文明毎、文化毎、民族毎、個人毎にそれぞれ違っています。
猫はそれだけ融通無碍に生きている、そう言ってもよい、
そんな感じがします。

以前、路地で見かけた事件を思い出しました。
珍しく放し飼いの犬が路地に猫を追い込んだのです。
行き止まり!
そう思いこんだ犬が浅はかでした。
追い詰められたという感じで振り向いた猫。
躍りかかる犬。
次の瞬間、痛みに悲鳴を上げて飛び上がったのは犬でした!
猫が前足の鋭い爪を一閃!
犬の鼻を小さく切り裂いたのです。
続いて、猫はひらりと塀の上に。
古来、寡兵が大軍にかけてきた起死回生の罠でした。

ペロポネソス戦争でも、たしかプラタイアという小ポリス、
はるかな大軍で押し寄せたテーバイ軍を袋小路に誘い込み、
全滅に近い大損害を与えた事件がありました。
優勢に立って、「こりゃ、楽勝だあ!」と、
慢心する瞬間が鬼門ですね。




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by hologon158 | 2018-11-03 15:28 | ホロゴンデイ | Comments(0)